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2021-04-30 16:30

社会

国連WFP、政情不安によりミャンマーで急増する飢餓への対応を強化

WFP
1億600万ドルの資金による支援
WFP国連世界食糧計画(以下、国連WFP)は、ミャンマーの主要都市の貧困地区や、最近人口移動が起こった地域に住む最大200万人の脆弱な人々を対象に、新たな食料支援活動を展開することを発表した。

ミャンマーでは、貧困と新型コロナウィルスに加えて、昨今の政治的危機の影響を受けて、国内全土で飢餓と絶望が急激に高まっている。国連WFPの推計によると、今後6カ月以内に、特に都市部で最大340万人の人々が飢餓に苦しむことになる。

既にヤンゴン周辺では、生き残るために食事を抜くなどギリギリの状態となる家族も見られることから、ヤンゴンでの国連WFPの対応は、最も貧しい10地区を対象としている。

さらに国連WFPは、その他の地域の状況も注視しており、必要に応じて、武力紛争によって新たに避難してきた人々を含め、影響を受けたコミュニティに支援を提供する準備をしている。

今後数ヶ月間で、国連WFPが支援する人数は130万人から330万人へと約3倍になり、1億600万ドルの資金が緊急に必要となっている。

政情不安から食料や燃料の価格が上昇
国連WFPは、2021年3月16日に、昨今の政情不安がサプライチェーンや市場に影響を及ぼしていることから、食料や燃料の価格が上昇していると警告している。

国連WFPによる最新の市場モニタリングでは、ヤンゴンをはじめとするミャンマー全土で、米の平均価格は1月から5%、食用油の平均価格は2月から18%上昇しており、ヤンゴンでは、食用油の価格が最大で25%上昇したことも記録されている。

ラカイン州、カチン州、チン州など一部の国境沿いの州では、特に上昇率が高く、カチン州では、一部の地区で米の価格が最大43%、食用油が32%上昇した。また、燃料の価格は全国で約30%上昇している

このような不安定な状況に対し、国連WFPは長期にわたる紛争の影響を受けている国内避難民やその他の脆弱な人々への人道的支援を継続しており、3月には、チン州南部、カチン州、ラカイン州、シャン州北部の紛争の影響を受けた地域で、37万4,000人に支援を届けている。

(画像はWFP国連世界食糧計画より)


外部リンク

WFP国連世界食糧計画 プレスリリース
https://ja.wfp.org/

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