2025-08-03 11:00
政治
ミャンマー軍事政権、選挙を前に4年間の非常事態宣言を解除

体制変革後も実権を握る軍政トップ
ミャンマーの軍事政権は7月31日に4年間の非常事態宣言を解除し、12月の総選挙に向けた計画を加速させるという。ミャンマーの事実上のトップであるミン・アウン・フライン上級大将が署名した命令により、同上級大将に国軍最高司令官としての権力を与えていた非常事態宣言が解除され、国家元首に権力が返還された。
一連の通知により、同上級大将が任命したメンバーで構成された「国家安全保障・平和委員会」とともに、新たな「連邦政府」が結成されたという。
しかし、ミン・アウン・フライン上級大将は同国の大統領代行も兼任している。つまり、変革があったように見えるが、事実上のトップは依然として同じ人物ということだ。
国際戦略研究所の研究員のモーガン・マイケルズ氏は、
「依然、同じ人々がすべての責任を負っている」(FRANCE24より)
と述べたうえで、「彼らは権力を民間人にただ返還するつもりはない」(FRANCE24より)
とつけ加えた。非常事態宣言解除後すぐに紛争地域などに非常事態宣言を発令
7月31日に軍事政権が非常事態宣言の解除を発表した数時間後、ミャンマー国営テレビは武装暴力と反乱への懸念から、国内14地域と州のうち9地域に90日間の戒厳令と非常事態宣言を発令したと報じており、その大半は紛争地域か反軍事政権グループの支配下にある地域だという。また、軍事政権は非常事態宣言の解除に先立ち、30日に「選挙プロセスの一部を破壊する」ことを目的とした言論や抗議活動に対して最高10年の懲役刑を規定する新法を制定したと発表している。
(画像はFRANCE24より)
外部リンク
Myanmar’s junta ends four-year state of emergency ahead of planned elections - but top general still in charge
https://edition.cnn.com/
Myanmar junta ends state of emergency in election run-up
https://www.france24.com/
Myanmar ends state of emergency in some parts before planned elections
https://www.aljazeera.com/
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