2025-08-01 11:30
社会
【ミャンマー】アラカン軍がロヒンギャ族のイスラム教徒を弾圧

厳しい移動制限、略奪、虐待
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は7月28日、ミャンマー西部ラカイン州の少数民族武装勢力アラカン軍が、 ロヒンギャ族に対し厳しい制限を課し、重大な人権侵害を行っていることを明らかにした。アラカン軍による州内の領土拡大は、ロヒンギャ族に対する移動制限、略奪、恣意的な拘禁、虐待、違法な強制労働や徴兵といった様々な人権侵害を伴ってきたという。
また、ミャンマー軍は長年にわたり人道に対する罪を含む残虐行為をロヒンギャ族に及ぼしてきた。
62歳のロヒンギャの男性は、
「アラカン軍の支配下での生活は信じられないほど制限的だった」(プレスリリースより)
と語っており、バングラデシュに逃避した人々も「働くことも、漁業をすることも、農業をすることも、許可なく移動することさえ許されなかった。極度の食糧不足に直面し、ほとんどの人が互いに物乞いをしていた」(プレスリリースより)
と状況を明らかにした。差別的かつ虐待的な慣行が横行するラカイン州
ラカイン州のロヒンギャ族はミャンマー軍とアラカン軍に挟まれ、両軍は 超法規的殺害、広範囲にわたる放火、違法な徴兵など、重大な人権侵害を犯している。アラカン軍による生活手段と農業への規制は恐喝と法外な価格設定と相まって、2023年後半から続く深刻な食糧不足と軍事政権による援助封鎖を悪化させた。
ロヒンギャの中には、海外の親戚から送金を受けた家族に物乞いをして生き延びている人もおり、ほとんど、あるいは全く報酬のない日雇い労働者として働いている人もいるという。
HRWのアジア局長のエレイン・ピアソン氏は、
「アラカン軍はミャンマー軍がラカイン州で長年にわたり実施してきたものと同様の、ロヒンギャに対する抑圧政策を実行している」(プレスリリースより)
と述べたうえで、「アラカン軍は差別的かつ虐待的な慣行をやめ、国際法を遵守すべきだ」(プレスリリースより)
とつけ加えている。(画像はプレスリリースより)
(C)2024 Mohammad Ponir
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news
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