2025-05-31 17:30
政治
ASEANの停戦延長に関する声明は不十分と指摘:APHR

執行可能なメカニズムや独立した監視規定が欠如
ASEAN人権議員連盟(APHR)は5月30日、5月26日~27日に開催された第46回ASEAN首脳会議において採択されたミャンマーにおける停戦の延長と拡大に関するASEAN首脳声明を、和平プロセスに向けた重要な一歩として評価する一方、同声明には執行可能なメカニズムや独立した監視規定が欠如しており、説明責任についても全く触れられていないため、不十分だと指摘した。ASEANが発表した停戦は、ミャンマー当局による3回連続の一時停戦、そして他の関係当事者による一方的な停戦を基盤としているように見えるが、これらの停戦は時系列、範囲、責任の所在について明確な規定を欠いているという。
確固たる枠組みの欠如は停戦を曖昧なジェスチャーに陥れる危険性をはらんでおり、ミャンマー軍事政権が和平の言葉を悪用し、何の罰も受けずに残虐な軍事作戦を継続することを許してしまうと異議を唱えている。
APHR議長でありインドネシア下院議員でもあるマーシー・クリスティ・バレンズ氏は、
「SAC(国家行政評議会)は、停戦宣言が現地ではほとんど意味を持たないことを繰り返し示してきた。宣言にもかかわらず暴力はエスカレートするばかりで、空爆、爆撃、殺害が増加している。マグニチュード7.7の壊滅的な地震の後でさえもだ」(プレスリリースより)
と述べている。ミャンマー危機には具体的な対策が必要
ASEAN首脳は公式には停戦を称賛しているものの、実際には軍事政権は停戦を盾に、ミャンマー国民と抵抗勢力に対する暴力行為を継続している。バレンズ氏はさらに、
「具体的な行動や説明責任を求めることなくこれらの宣言を承認することで、ASEANはこうした虐待の悪循環を助長するリスクを負っている」(プレスリリースより)
とつけ加えた。この状況は停戦が単なる象徴的なものではなく、真に維持・執行されるよう明確で信頼性が高く、強固な監視メカニズムの緊急の必要性を浮き彫りにしている。
APHRは民主的な主体や民族抵抗グループが排除され、軍事政権が自由に条件を決定できる状況では、「包括的対話」の呼びかけは信憑性を欠くと指摘。
ASEANに対し、言説を協調的かつ具体的な戦略へと早急に転換するよう強く求めている。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
APHR
https://aseanmp.org/
APHRのプレスリリース
https://aseanmp.org/
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