• TOP
  • >
  • 社会
  • >
  • 援助が崩壊して攻撃が激化する中、ミャンマーの人権危機は深刻化:国連
2025-06-29 14:30

社会

援助が崩壊して攻撃が激化する中、ミャンマーの人権危機は深刻化:国連

国連
人々が努力しているにもかかわらず状況は悪化
国連のフォルカー・ターク人権高等弁務官は6月27日、ジュネーブで行われた人権理事会で、軍事攻撃の激化、援助の縮小、国際支援の崩壊により何百万人もの人々が飢餓と絶望に陥り、ミャンマーは人道的大惨事にさらに深く陥りつつあると警告した。

ミャンマーでは2021年2月の軍事クーデター以来、約6,800人の民間人が殺害され、2万2,000人以上が依然として恣意的に拘束されている。人道支援のニーズは急増しており、約2,200万人が支援を必要とし、350万人以上が紛争により避難を余儀なくされている。

ターク人権高等弁務官は、ミャンマーの人々が大きな課題にもかかわらず、人権を基盤とした平和で持続可能かつ民主的で多様性のあるミャンマーを築くために努力していることに言及したうえで、現地の状況が悪化する一方であること指摘した。

悪化する危機
3月28日に発生した地震では4,000人近くが死亡し、600万人が緊急支援を必要としたが、軍は救援活動を促進する代わりに攻撃を激化させた。

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、地震以来600回を超える軍事攻撃を記録しており、その94パーセントは停戦協定中に発生し、学校、宗教施設、その他の保護された場所が頻繁に標的にされているという。

また、ラカイン州の状況は依然として特に深刻で、民間人、特に少数民族のイスラム教徒ロヒンギャ族は、ミャンマー軍と少数民族武装勢力であるアラカン軍の板挟みに遭っている。さらに、軍による人道支援へのアクセス妨害が継続しており、既に深刻な危機がさらに悪化。

国全体で経済崩壊と公的機関の崩壊が苦しみをさらに深めている。

拘束されている人々の解放が急務
高等弁務官の報告書は、平和で民主的なミャンマーへの移行の基盤を築くため、「正義と説明責任」「民主的な統治」「国民に奉仕する経済改革」「持続的な国際的関与」という主要な道筋を概説。

ターク氏は、責任追及はすべての政治犯の釈放と重大な人権侵害の責任者の訴追から始めなければならないと強調したうえで、
「軍は直ちに暴力を止め、人道支援活動の妨げのないアクセスを認め、恣意的に拘束されているすべての人々を解放することが急務だ」(プレスリリースより)
と述べた。

さらに、
「混乱のさなか、人権を最優先に据えた未来への計画は、人々に希望を与える。私たちはミャンマーの人々のために、その希望を現実のものにする義務を負っている」(プレスリリースより)
とつけ加えている。

(画像はプレスリリースより)
(C)UNICEF/Nyan Zay Htet


外部リンク

国連
https://www.un.org/en

国連のプレスリリース
https://news.un.org/en/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook