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2023-05-21 21:30

社会

国際人権団体、ロヒンギャ送還計画でバングラデシュとミャンマーを非難

ロヒンギャ
本国送還への新たな取り組み
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は5月18日、ロヒンギャ難民をバングラデシュからミャンマーに送還する計画を厳しく非難し、ロヒンギャ難民の命と自由に「重大な危険」をもたらすとの見解を示した。

バングラデシュ当局はミャンマー軍事政権当局と連携し、今後数週間のうちにパイロットプロジェクトで約1,100人のロヒンギャの帰還を目指すという。

パイロットプロジェクトとは試行として企画された活動のことで、この新たな取り組みの一環として5月5日、ロヒンギャ難民20人を連れてラカイン州の再定住キャンプを視察。しかし視察に参加したロヒンギャ難民は、現在のラカイン州の状況に満足しなかったという。

HRWは、安全かつ持続可能な帰還のための条件が整うまで、ロヒンギャの帰還を停止するよう援助国政府と国連専門家が呼びかけるべきだと主張している。

ロヒンギャがなぜ難民になったのかを忘れるべきではない
HRWは、
「バングラデシュ当局はそもそもロヒンギャが難民になった理由を忘れてはならず、それらの要因は何も変わっていないことを認識すべきだ」(プレスリリースより)
と述べた。

バングラデシュはかねてより受け入れ国としての負担に不満を抱いている。

しかし、ラカイン州の状況は改善されるどころか軍事政権により悪化しており、同州に残る約60万人のロヒンギャは劣悪なキャンプや村に閉じ込められ、人道支援も厳しく制限されているという。

なお、ロヒンギャ難民は一貫して帰還を希望しているが、それは安全、土地へのアクセス、生計手段、移動の自由、市民権が確保された場合に限られる。

(画像はプレスリリースより)
(C)2018 Thein Zaw/AP Photo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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