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2019-06-29 20:00

社会

ICCの検察官、ロヒンギャに対するミャンマー国軍の犯罪捜査開始を要求か

ICC
暴力関与を否定し続けるミャンマー
国際的な人権NGOであるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)によると、国際刑事裁判所(ICC)は6月26日、ミャンマーのラカイン州における暴力的な犯罪について、検察官が裁判官に捜査の開始を要求するだろうと発表したという。

ミャンマーはICCの加盟国ではないが、2010年6月以降ICCの加盟国であるバングラデシュに多くのロヒンギャが逃避しているため、昨年、管轄権を行使できると判断している。

正義に一歩近づく検察官の動きは、ミャンマーで起きたあらゆる犯罪の証拠を集めるための組織を設立した後に起きた。

ミャンマーはこれまで、ロヒンギャに対する国軍兵士の暴力等を否定。調査委員会も暴力の「証拠はない」と結論づけている。また、2月には、国連の女性権利委員会に対し、2017年の作戦中に軍が残忍で広範囲にわたる性的暴力を行ったという「証拠はない」と語った。

国連の調査では訴追する十分な証拠があると結論
ミャンマーが否定を繰り返す国軍による暴力行為について、国連事実調査団は昨年8月、国際法上の「ジェノサイド(genocide )」や「人道に対する罪(crimes against humanity )」などの犯罪でミャンマー国軍の最高司令官と幹部5人を訴追する十分な証拠があると結論づけた。

ICC検察官が提案した捜査が進めば、これまでほとんど触れることができなかったミャンマー国内に隠された犯罪が明らかになる可能性がある。

HRWは、国連安全保障理事会がミャンマーの全状況をICCに委ねるべきとの考えを示したが、中国とロシアが反対しているため可能性が低いという。

しかし、国連加盟国を含む安全保障理事会は、ミャンマーをICCに付託する決議を求め続けるべきであるとの考えを示した。

(画像はプレスリリースより)
(C)2017 Private


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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