2020-08-30 12:00
政治
11月のミャンマー総選挙を「包括的な民主主義の道を歩む好機」に:OHCHR

ロヒンギャの権利尊重が重要
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8月28日、ミャンマーで11月に予定されている総選挙が包括的な民主主義の道を歩み、少数民族が被る虐待の根本原因に対処する機会として受け入れる必要があるとミャンマー政府に要請した。OHCHR東南アジア地域事務所を拠点とする上級人権担当官であるJames Rodehaver氏によると、イスラム系少数民族ロヒンギャが隣国バングラデシュへ逃避するきっかけとなった迫害事件から3年が経過した今でも国内の状況は悪化しており、安全に帰還できる環境づくりがほとんど行われていないという。
ロヒンギャ迫害が起きた地域では、国軍と反政府勢力であるアラカン軍との間で紛争が勃発し、ロヒンギャを含む同地域の民間人に悪影響を及ぼしている。
Rodehaver氏は、
「11月の投票を包括的で自由かつ公正なものにするには、ミャンマーが選挙プロセスおよび公共生活のあらゆる側面において、すべての人が完全かつ平等に参加できる権利を尊重することが重要だ」(プレスリリースより)
と述べている。必要な措置の実施を要請
Rodehaver氏はまた、2010年まで認められていたロヒンギャの政治的権利を回復すべきとの見解も示した。ロヒンギャは2015年の総選挙から投票権を剥奪され、今年11月の総選挙では少なくとも4人の立候補者が出馬を拒否されている。同氏は、この継続的な権利剥奪がロヒンギャの基本的な権利を享受することを妨げていると指摘。
ミャンマー政府に対して、投票と出馬の権利をロヒンギャに与え、彼らか選挙に確実に参加できるよう直ちに措置を講じるべきと主張している。
さらに、OHCHR当局はミャンマーに対して、ロヒンギャ難民の返還プロセスに真の誓約を示し、国籍を回復するための1982年市民権法の改正や犯罪に対する説明責任の確保など、危機を引き起こした根本的な原因に対処するために必要な措置を講じるよう求めた。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
国連
https://www.un.org/
国連のプレスリリース
https://news.un.org/en/
OHCHR
https://www.ohchr.org/
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