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2020-08-22 21:00

社会

国際人権団体、ミャンマーの「表現の自由活動家」に対する嫌疑取り下げ要請

表現の自由活動家
垂れ幕による抗議で逮捕
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は8月20日、ミャンマー当局に対して直ちにすべての「表現の自由活動家」への嫌疑を取り下げるよう要請した。

HRWによると、6月21日に『ラカインでの戦争犯罪と殺害を隠すためにインターネットを遮断しているのか?』と書かれた垂れ幕をヤンゴンのダウンタウンの陸橋に吊り下げたとして、ミャンマー当局は平和集会および平和行進法違反で表現の自由活動家であり詩人でもあるMaung Saungkha氏を逮捕したという。

21日はラカイン州とチン州でインターネットが遮断されて1年経った日であった。

当局は無許可で抗議したことを犯罪として同氏を起訴し、最長で懲役3ヶ月または罰金刑、あるいはそのその両方を課すという。

表現の自由を改善する兆候は見当たらず
HRWのアジアの法律顧問であるLinda Lakhdhir氏は、
「Maung Saungkha氏に対する嫌疑は、ミャンマー政府が批判的な演説と平和的な抗議に不寛容であることの最新の例に過ぎない」(プレスリリースより)
と述べている。

また、権利侵害を平和的に訴える人々を起訴する代わりに、ラカイン州とチン州でのインターネット遮断を終わらせる努力をするべきだと主張した。

Maung Saungkha氏は、
「ミャンマーで表現の自由を改善する兆候や試みは見当たらない」(プレスリリースより)
とHRWに語ったという。

拡大する取り締まり
ミャンマー当局は「表現の自由」と「抗議する権利」に対する取り締まりを継続的に拡大している。

ミャンマーの裁判所は7月27日、2人の学生に事前通知せずに抗議活動をしたとして1ヶ月の禁固刑を言い渡した。抗議では、政府に対してインターネット遮断の解除を要求し、21人の生徒が負傷した小学校への砲撃に対して責任者の説明を求めていた。

また3月25日には、抗議に参加した学生7人に重労働を伴う1ヶ月の禁固刑を言い渡している。

(画像はプレスリリースより)
(C)2016 Private


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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