• TOP
  • >
  • 政治
  • >
  • スーチー氏、ロヒンギャ問題に対する国連の調査を拒否
2017-05-05 09:00

政治

スーチー氏、ロヒンギャ問題に対する国連の調査を拒否

アウンサンスーチー
意見の不一致
ヨーロッパを訪問しているミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)国家特別顧問は、EU(欧州連合)のフェデリカ・モゲリーニ(Federica Mogherini)外交代表との記者会見で、3月に国連人権理事会(UNFCC)が採択した決議に同意しなかったと述べた。

これはミャンマー国内で起きているイスラム系少数民族ロヒンギャに対するミャンマー国軍の殺害、強姦、拷問などの疑惑を調査するための国連の決定で、ロヒンギャの主張を調査するために国際的な実情調査ミッションを送るという決議をミャンマー政府に求めたものである。

スーチー国家特別顧問は、国連の決議は「実際に起こっていることに対応するものではない」と主張。一方、モゲリーニ外交代表は、決議はロヒンギャに対する殺害、拷問、強姦などの主張についての不確実性を明確にするのに役立つと決議を支持。記者会見の場で、両者の意見の不一致が明らかとなった。

スーチー国家特別顧問は、
「決議が地域の本当のニーズに合致していると思えば、それを受け入れるのは喜ばしいが、さらに分断させるような勧告は受け入れられない」(International Business Timesより)
と述べている。

「民族浄化」を否定
国民の大多数が仏教徒であるミャンマーでは、イスラム系少数民族であるロヒンギャは国民として認められておらず、昨年から続くラカイン州での国軍の犯罪行為は重大な人権侵害だと国際社会から批判されている。

また、ラカイン州でのロヒンギャ迫害に対して、スーチー国家特別顧問が率いる政府が十分な努力をしていないとの懸念も広がっている。

国連はこれまでに、昨年10月以降バングラデシュに逃げたロヒンギャ7万5,000人の内の220人から聞き取り調査を実施し、ミャンマー国軍がロヒンギャに対して大量殺戮や強姦などを行っていると報告。

「民族浄化」の可能性が非常に高いと警告しているが、スーチー国家特別顧問はこの報告を否定し、
「民族浄化が進んでいるとは思わない」(Press TVより)
と述べている。

(画像はPress TVより)


外部リンク

Myanmar rejects UN probe into crimes against Rohingya
http://www.presstv.ir/

Myanmar's Aung San Suu Kyi rebuffs UN probe into Rohingya abuse
http://www.ibtimes.co.uk/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook