2014-12-22 08:00
社会
「富山の薬売り」の伝統と技術がミャンマーへ

富山の薬売りの伝統と技術で応援
富山大和漢医薬学総合研究所と富山県は、2016年度までの3年間で「富山の薬売り」の伝統と技術を生かし、ミャンマーの製薬分野を支援する。富山大和漢医薬学総合研究所は東洋医学と西洋医学の融合に努めるとともに、研究所開設以来50年以上もの長い間、新医薬学体系の構築と自然環境の保全を組み入れた全人医療の確立に貢献。
今回の支援ではこれまでに培った技術を生かし、ミャンマーでの生産技術の向上や研究者の育成に協力する予定である。また、ミャンマーの生薬研究者を招き、薬の品質検査の技術指導をはじめ、富山の製薬工場の見学なども計画。富山の薬売りの伝統と技術でミャンマーを応援するのが特徴だ。
富山の薬売りは全国各地に薬を売り歩くことで古くから知られている。家庭に薬箱を置き、使用した分の料金を後払いするシステムだ。
富山の薬売りは営業ノウハウはもちろん、その歴史の中で漢方の製薬技術も発達。このような技術を生かそうと民間企業・研究機関・官公庁が協力することで同研究所での寄付講座が実現した。
現状は薬品の入手が困難
同研究所・和漢薬製剤開発分野の紺野勝弘客員教授によると、「ミャンマーでは、西洋医学の薬品は輸入品が多く高価で、インド発祥の伝統医学『アーユルベーダ』の影響でショウガやウコンなどを使った伝統薬が浸透している。だが、自然由来のため一定の品質や効き目を保つことが難しい」(中日新聞より)
とのべているという。その上、生薬として必要な有効成分量や品質の検査方法を詳しく定めた基準集ができたばかりで、検査ができる人材が不足しており、粗悪品や偽薬も多いのが現状とのことだ。
また、西洋医学の薬品は輸入品が多く高価であるため、一般国民には入手が困難だ。
同教授らは、伝統医療の普及と配置薬実施の支援において、これまでにもミャンマーの村ごとに薬箱を贈るプロジェクトを実施している。
今後、薬品の管理が可能な研究者やミャンマーの製薬分野を背負っていく人材が生まれることが期待される。
(画像は富山大和漢医薬学総合研究所より)
外部リンク
富山大和漢医薬学総合研究所
http://www.inm.u-toyama.ac.jp/index-j.html
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