2022-03-10 10:00
社会
恐怖・暴力・孤立がミャンマー女性の収入・医療へのアクセスを妨害:国連調査

パンデミックと軍事クーデターにより安全性が低下
国連開発計画(UNDP)と国連女性機関(UN Women:UNウィメン)は国際女性デー(International Women's Day )である3月8日に新たな調査報告書を発表し、ミャンマー女性が恐怖・暴力・孤立により収入・医療へのアクセスが妨げられていることを明らかにした。国連が発表した報告書は、『Regressing Gender Equality in Myanmar: Women living under the Pandemic and Military rule(ミャンマーにおけるジェンダー平等の後退:パンデミックと軍事政権下で生活する女性)』というもの。
この調査はCOVID-19のパンデミックと軍事クーデターにより権力を掌握した政権下で生活する女性がどのように影響を受けているかを2021年12月に調べたもので、2,200人以上の女性を対象としている。
国連によると、暴力と不安の高まりにより、ミャンマーの女性は仕事や医療サービスから遠ざかることを余儀なくされ、収入と健康に深刻な影響を及ぼしているという。
半数の女性が日中でも恐怖を感じる
国連によると、2019年にはコミュニティで日中に危険を感じると答えた女性が3.5%だったのに対し、今回の調査では半数が日中であっても近所を歩くことを恐れていることが判明。夜間には自宅にいても安全ではないと感じるという。UNDPのアジア太平洋地域局長は、
「この調査は、暴力への恐れがミャンマー女性の通常の生活を妨げているという明確で身も凍るようなメッセージを送っている。これはすぐに対処する必要がある」(プレスリリースより)
と懸念を示した。同調査では、女性の10人に7人近くが、パンデミックと軍事クーデターにより家計収入の減少を報告。女性は食事を抜いたり、ローンを組んだり、目的を達成するために価値のあるものを売り払ったりしているという。
また、女性の半数が医療サービスへのアクセスがより困難になっていると報告。妊娠中または授乳中の女性の10人に1人が、医療サービスにアクセスできずに妊娠や出産の問題を抱えているという。
(画像はプレスリリースより)
(Photo:Shutterstock)
外部リンク
UNDP
https://www.undp.org/
UNDPのプレスリリース
https://www.undp.org/
UNウィメン
https://www.unwomen.org/
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