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2022-01-23 08:00

経済

仏エネルギー多国籍企業、米・仏政府にミャンマーへの新たな経済制裁を要請

トタルエナジーズ
軍事政権の最大の外貨収入に的を絞った制裁措置
国際的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は1月20日、フランスのエネルギー多国籍企業であるトタルエナジーズ(TotalEnergies)が、アメリカとフランスの政府に対してミャンマー国軍の最大かつ唯一の収入源である石油および天然ガス収入に的を絞った制裁措置を支持するよう要請したことを明らかにした。

トタルエナジーズは1990年代からミャンマーでヤダナガスプロジェクトを運営しており、これは軍事政権が管理するミャンマー石油ガス企業(MOGE)に収益をもたらしている。

ミャンマーの天然ガスプロジェクトは軍事政権の年間10億米ドルを超える外貨収入を生み出しており、これは外貨収入の最大の源だ。

これらの収入は米ドルでMOGEまたは海外の他の軍事管理銀行口座に送金され、手数料、税金、ロイヤルティ、天然ガスの輸出による配当金の形で送られるという。

これまでの経緯
支払われる最大のガス収入は、その大部分がトタルエナジーズ、シェブロン(Chevron)、およびMOGEが所有する合弁企業からタイの国営企業であるPTTを介して行われ、PTTは中国にガスを輸送および販売する韓国企業のポスコ(POSCO)との合弁事業の株式を個別に所有している。

HRWは以前、これらすべての企業とその株主に書簡を送り、ガス収入に対する制裁を支持するよう促しており、2022年1月18日にトタルエナジーズから書簡が届き、これまでの返答とは異なり制裁措置を支持したという。

昨年2月1日にミャンマーで起きた軍事クーデター以来、アメリカ、カナダ、イギリス、およびEU加盟国は、ミャンマー軍や軍事政権指導者が所有または管理するいくつかのコングロマリットおよび企業に対象を絞った経済制裁を課しているが、MOGEが受け取る支払いには課していなかった。

フランス政府はそのような制裁措置を支持しておらず、アメリカ政府はフランスや他のEU諸国の支援なしに、一方的にガスの支払いに制裁を課すことを望んでいなかったという。

その理由の1つは、ガスの運用を完全に停止することで一般の人々に害を及ぼす可能性があることだ。

しかし、収益と税金の支払いに対する的を絞った制裁は、運営を混乱させることはなく、ただ軍事政権への資金の流れを混乱させるだけだとHRWは訴えている

(画像はプレスリリースより)
(C)AP Photo, File


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

トタルエナジーズ
https://totalenergies.com/

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