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2021-12-21 20:00

政治

日本はミャンマー国軍との防衛関係を断つべき:国際人権団体

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
軍事訓練の提供にあ然
米国に基盤を置く国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は12月20日、日本政府によるミャンマー士官候補生の軍事プログラムを直ちに中止し、ミャンマー国軍との関係を断つべきだとの見解を示した。

防衛省によると、12月10日時点でミャンマー士官候補生8人を留学生として防衛省管轄下の防衛大学校で受け入れているという。

同軍事プログラムは座学だけでなく戦闘や武器の使用法などの軍事訓練を含むカリキュラムで、自衛隊のあり方を示しながら人的交流を図るものだ。

HRWのアジア・プログラム・オフィサーである笠井哲平氏は、
「ミャンマー国軍が自国民に人道に対する罪を行っているまさにその時に、日本がミャンマーからの士官候補生に軍事訓練を提供していることにはあ然とする」(プレスリリースより)
と述べた上で、ミャンマー国軍との関係断絶に言及した。

エスカレートする国軍の残虐行為
防衛省によると、留学生の教育訓練の実施を認める自衛隊法に基づき、2015年にミャンマー留学生の受け入れが始まったという。

一方、受け入れを開始した2年後となる2017年8月には、ミャンマー・ラカイン州で国軍による一連のロヒンギャ迫害が起き、大規模な残虐行為が報告されている。

また、国軍は長期にわたり民族武装集団と紛争状態にあり、超法規的処刑、レイプ、無差別砲撃、拷問、放火など、あらゆる罪を犯してきた。

さらに、2月の軍事クーデタ後は政権を奪い、罪ない人々を弾圧・殺害している。

政治囚支援協会によると、国軍と警察に殺害された人は1,300人以上で、数百人が実刑判決を受け、未成年者2人を含む75人が死刑判決を受けたという。

このような状況の中でミャンマー国軍との関係を断絶すべきとの意見が日本政府に向けられるのは、当然の結果といえるだろう。

(画像はプレスリリースより)
(C)2021 Kaung Zaw Hein/SOPA Images/Sipa USA via AP Images


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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