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2021-09-30 12:00

政治

ミャンマー国連大使が総会演説を見送り 米中が非公式で合意か

国連大使
「ミャンマーが演説しないことを決めた国はない」
アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)政府により任命されたミャンマーのチョー・モー・トゥン(Kyaw Moe Tun)国連大使は9月27日、予定されていた総会最終日の国連総会での演説を見送った。

国連のステファン・ドゥジャリック(Stephane Dujarric)報道官によると、チョー・モー・トゥン国連大使が演説を取り消したといい、
「私が持っている唯一の情報は、ミャンマーが講演者リストに記載されていないということだ」(Radio Free Asiaより)
と述べている。

また、国連総会のアブドラ・シャヒド(Abdulla Shahid)議長も28日、ミャンマー国連大使が要求しなかたために演説が行われなかったとし、
「ミャンマーが演説しないことを決めた国はない。ここには従うべき多くの手順がある。11月に話し合う信任に関する委員会があり、その報告は総会で採択される予定だ」(WIONより)
と述べた。

米中にとって大使が“目立たない”ことが有利に
一方、ブリュッセルに本拠を置く国際危機グループの国連ディレクターであるリチャード・ゴーワン(Richard Gowan)氏は、
「米中仲介協定の下で、誰を代表するかについて正式な決定が下される今年後半まで、チョー・モー・トゥンが“目立たない”ことに同意した」(Radio Free Asiaより)
と述べている。

つまり、発言を控えて“目立たない”ようにすることで国連大使の地位にとどまることにしたということだ。

ミャンマーの暫定軍事政権は、クーデター後にNLD政権に任命されたチョー・モー・トゥン国連大使の代わりに元将軍を任命したが、国連はまだ任命を承認していない。

国連では、米国、中国、ロシアを含む9人の委員からなる委員会によって信任が審査されるが、委員会メンバーである米国と中国が水面下でミャンマー国連大使の任命に関して現状を保つことに合意したと見られる。

軍事政権を批判し経済制裁などを課している米国にとっては現状が維持されることに越したことはない。また、軍事政権に武器を輸出して支援する中国・ロシアにとっても、総会でチョー・モー・トゥン国連大使に批判されないので彼が“目立たない”ことは有利に働くというわけだ。

なお、8月にはチョー・モー・トゥン国連大使の殺害を企てたとして、ミャンマー人2人がニューヨーク州で逮捕された。この殺害計画にはミャンマー国軍に武器を販売するタイ人の武器商人が関与してたため、国軍の関与が疑われたが国軍は否定している。

(画像はRadio Free Asiaより)


外部リンク

Myanmar’s UN Envoy Skips Address Amid US-China Brokered Deal With Junta
https://www.rfa.org/

Myanmar did not make a request to speak, UNGA president Abdulla Shahid clarifies to WION
https://www.wionews.com/

Concerned United Nations can only sidestep Myanmar crisis
https://apnews.com/

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