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2021-07-17 08:00

社会

国連特別報告者、再びミャンマーの「破滅的な事態」に警告

国連
基本的人権を与えられていないミャンマー国民
ミャンマーの人権状況に関する国連特別報告者のトム・アンドリュース氏は7月14日、コロナウイルス(COVID-19)のデルタ株が急増するミャンマーで、医療制度が崩壊しているために、さらに人命が失われる可能性があるとし、「破壊的な事態」となっていることに警告を示した。

アンドリュース特別報告者は声明の中で、人命を救うためにミャンマーへの緊急な支援が必要だとし、
「達成可能な最高水準の健康を保つことは人間の基本的権利の1つであり、その権利はミャンマー国内のほとんどの人が与えられていない。国際社会は行動しなければならない。」(プレスリリースより)
と呼びかけている。

同特別報告者は前週にも、ミャンマーへの緊急人道支援を同様に訴えたばかりだ。

ミャンマーではデルタ株への感染が急増しているにもかかわらず、COVID-19のワクチン接種と検査が厳しく制限されている。

同特別報告者の前週の報告によると、驚くべきことに検査されたもののうちの26%が陽性だったといい、ミャンマーが「スーパースプレッダー国家」になる重大なリスクがあると警告した。

「資源・能力・正当性」を欠く軍事政権
アンドリュース特別報告者は、ミャンマーの人々が軍事政権に不信を抱いているため、危機回避は致命的だと指摘。さらに、軍事政権が危機を制御するための「資源・能力・正当性」を欠いていることを強調した。

ミャンマーでは軍事クーデターで対応に混乱が生じ、国営病院がほとんど機能していない。また、医療従事者に対する取り締まりも医療崩壊の一因で、ワクチン接種の元責任者が逮捕された。さらに、軍事政権下で働きたくないというボイコットも国民の間で起きている。

ミャンマー国軍が権力を掌握してから、治安部隊や警察による取り締まりで約6,000人が恣意的に拘留され、子供を含む約900人が殺害された。COVID-19の蔓延に取り締まりが加わり、国際社会は破滅的な事態を回避する手助けができるのだろうか。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

国連
https://www.un.org/

国連のプレスリリース
https://news.un.org/

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