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2020-12-15 08:00

社会

【ミャンマー総選挙】国軍から圧力をかけられたと主張の女性が有罪判決に

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
Facebookに投稿した翌日に召喚
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、ミャンマーの裁判所は、2020年11月8日の総選挙で国軍主導の連邦団結発展党(USDP)に投票するよう圧力をかけられたと主張した女性に、懲役9ヶ月の刑を言い渡したという。

有罪判決を受けたのはマグウェ地方域に住む25歳の女性で、父親が医療助手として雇用されている軍からの圧力にもかかわらず、9月23日に現職の国民民主連盟(NLD)党に投票するとFacebookに投稿。

翌24日に軍の将校が同女性を召喚し、オンラインでの名誉毀損および不正な情報を公開したとして、電気通信法第66条(d)と第68条(a)違反で起訴した。

HRWのアジアの法律顧問であるLinda Lakhdhir氏は、同事件の再調査を訴え、
「即座に無条件に彼女に対する有罪判決を破棄し、係属中のすべての告訴を取り下げる必要がある」(プレスリリースより)
と述べている。

批判を沈黙させるため使用される刑法
有罪となった女性が違反したとされる電気通信法第66条(d)は、ネットワークを使用することにより、恐喝、強要、不当な拘束、名誉毀損、妨害、過度の影響の誘発などをした者が対象だ。

しかし、この条項はたびたび拡大解釈され、批判する者を黙らせるために悪用されているという。

HRWは、
「脅迫された有権者の起訴は、ミャンマーでの批判を沈黙させるための刑法の使用の最新例にすぎない」(プレスリリースより)
と述べ、ミャンマー議会に対して抑圧的な法律を廃止し、脅迫の申し立てに対して徹底的かつ独立した調査を要請した。

なお、HRWはミャンマーの直近の総選挙が、自由で公正な選挙に必要な多くの要素が欠けていたとの見解を示し、国際基準には“表現、結社、平和的な集会”の自由、および移動の権利が含まれていると主張している。

(画像はプレスリリースより)
(C)2020 AP Photo/Thein Zaw


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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