2020-10-16 15:00
社会
国連、ミャンマーの紛争で犠牲になった子どもの状況に深刻な懸念を表明

子どもに地雷の有無を確認させる国軍
ミャンマー・ユニセフは10月14日、ミャンマーの子どもに対する重大な違反に関する監視と報告に関する国連タスクフォース(CTFMR)の議長が、同国ラカイン州で起きている国軍とアラカン軍(AA)の紛争で子どもが死亡したことについて、声明で深刻な懸念を表明したことを明らかにした。声明によると、ラカイン州ブティダウン郡区で10月5日、国軍とAAの間で起きた銃撃戦で2人の子どもが死亡したという。
15人の地元農民グループの一部として、子どもたちが国軍のキャンプ地まで地雷がないことを確認すために部隊の前を歩かされていたとき、国軍とAAの間で戦闘が勃発。その後、2人の子どもが銃創で死亡しているのが発見された。
最初の3か月間で100人以上の子どもが犠牲に
2020年の国連事務総長の子どもと武力紛争に関する年次報告書(CAAC)および検証された報告によると、2019年半ば以降、ミャンマー国軍が非戦闘目的で子どもを使っているという。声明では、軍隊やグループによる非戦闘目的での子どもの使用は戦闘目的での子どもの使用と同様に見過ごされるべきではなく、ミャンマーの子どもの権利法でも犯罪だと指摘。子どもが死亡・負傷する危険にさらされていると主張している。
CTFMRは声明で、
「我々はミャンマーで子どもたちの死亡や負傷の報告が驚くほど増加していることを深く懸念している。2020年の最初の3か月間に100人以上の子どもが紛争で死亡または不具になり、2019年の総数の半分以上に達し、2018年の子どもの死傷者数を大幅に上回った」(プレスリリースより)
と述べている。その上で当事者に対し、子どもたちをすべての重大な違反から保護し、人道支援とサービスへのアクセスを確保し、武力行使を最大限に抑制する努力を強化するよう要請した。
なお、重大な違反とは、「子どもの殺害・不具」「軍隊および武装グループにおける子どもの募集と使用」「学校や病院に対する攻撃」などである。
(画像はミャンマー・ユニセフより)
外部リンク
ミャンマー・ユニセフ
https://www.unicef.org/
ミャンマー・ユニセフのプレスリリース
https://www.unicef.org/myanmar/
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