• TOP
  • >
  • 社会
  • >
  • 国際人権団体、平和的な抗議者を逮捕・起訴するミャンマー当局を批判
2020-09-25 10:00

社会

国際人権団体、平和的な抗議者を逮捕・起訴するミャンマー当局を批判

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
政府に対する批判は犯罪
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は9月23日、ミャンマー政府と国軍に対して抗議した学生の逮捕・起訴をやめるべきとの見解を示した。

また、直ちに学生に対する起訴を取り下げ、無条件に拘束されている者を釈放するよう要請している。

全ビルマ学生連盟(All Burma Federation of Student Unions:ABFSU)によると、ラカイン州やチン州でインターネットが遮断されていることに対して批判したり、政府や国軍を批判する抗議キャンペーン等に参加したりした後、全国で少なくとも20人の学生が起訴あるいは逮捕されているという。

HRWのアジア法律顧問であるLinda Lakhdhir氏は、
「政府を批判したり、平和的に抗議したりすることは犯罪であってはならず、当局はそのように扱うことをやめるべきだ」(プレスリリースより)
と述べている。

学生逮捕の一例
2020年9月10日、ABFSUのメンバーは前日のインターネット制限への抗議で逮捕されたラカインの学生と連帯して「ステッカー」キャンペーンを実施。 ラカイン州とチン州の8つの町で3Gおよび4Gデータサービスが再開されることを要求するチラシとステッカーを配布したという。

そのチラシには、「流血がない政府。殺害しない国軍」「殺人とファシズムに反対し、ラカインの人々と一緒に立ち上がろう」というスローガンが書かれていた。

9月12日、警察の特別支部部隊がヤンゴンの学生であるPaing Min Khant氏の家を夜間襲撃。警察は新型コロナウイルスの健康診断の一環として“検温する”ために家に入り込んだという。

しかし家に入った後、“平和行進と平和集会法の第19条”に基づいて、同氏と別の学生を警察署に連行。チラシとステッカーを配布する前に警察に通知していなかったため起訴された。

ミャンマーの平和的集会および平和的行進法では、主催者は抗議または集会を開く48時間前に当局に通知する必要があるためだ。しかしHRWは、チラシやステッカーの配布を「集会」として扱うのは法律を拡大解釈していると指摘。

警察はさまざまな法律を駆使して、学生を逮捕・起訴しているという。

(画像はプレスリリースより)
(C)2020 AP Photo/Aung Shine Oo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook