2025-11-08 09:00
政治
報道の“開放”を装うミャンマー軍政:選挙報道統制の実態

報道許可の舞台裏にある厳格な管理
国境なき記者団(RSF)によると、ミャンマー軍政は2025年末から2026年初頭に予定している総選挙にあたり「報道機関の取材を許可する」と発表したという。しかしこの開放的と見える声明の裏では、国内外のメディアに対して取材許可の厳格な取得義務や、情報が「選挙過程を破壊するもの」とみなされた場合の刑事罰が科される法律を制定済みである。
軍政は「自由に見える」報道環境を演出する一方で、実態としては報道機関の活動を一層細部まで監視・統制する体制を整えており、表面的な“開放”の裏に統制強化が進行している。
独立報道の消失と信頼性の危機
2021年のクーデター以降、ミャンマーでは独立系メディアは壊滅状態に追い込まれており、約60の報道機関が国外へ移転、少なくとも51人の記者が投獄された。軍政下では記者に対する暴行や性的暴力、拷問も報告されており、言論の自由は極めて深刻な危機にある。
今回の「取材許可」という措置も、国際社会や国連特別報告者から「選挙を正当化するための演出」とみなされており、報道の透明性・中立性はいまだ著しく疑問視されている。
軍政による報道統制の実態を前に、選挙報道が本当に“自由”を反映しているのかは疑問が残る。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
国境なき記者団
https://rsf.org/en
国境なき記者団のプレスリリース
https://rsf.org/en/myanmar
関連する記事

-
2025-11-03 08:30

-
2025-10-29 15:00

-
2025-10-25 16:30

-
2025-10-24 18:30

-
2025-10-19 10:30






