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2024-07-18 10:30

社会

国境なき医師団、ミャンマー・ラカイン州で大きな障害に直面

国境なき医師団
ラカイン州北部での医療活動を無期限停止
世界最大の国際的緊急医療団体である「国境なき医師団(MSF)」は7月16日、ミャンマー・ラカイン州で厳しいアクセス制限と暴力的な紛争の影響に苦しみ、医療提供の課題に直面していることを明らかにした。

MSFによると、ラカイン州中部のいくつかの郡では最低限の活動を維持できているものの、今年6月に紛争の激化とブティダウン郡のMSF事務所の焼失を受けて、ラカイン州北部での医療人道活動を無期限に停止せざるを得なくなったという。

患者へのアクセスと医療の提供の困難
2023年11月にミャンマー軍とアラカン軍の紛争が再開して以来、MSFチームは患者へのアクセスで大きな困難に直面。MSFは8カ月間、ラカイン州での移動診療の許可を得られなかった。

パウクトー郡の国内避難民キャンプもその1つで、これらのキャンプにはボートでしかアクセスできないが、同郡での紛争が激化したため、MSFのチームは医療を提供できなくなり、緊急治療を必要とする患者はシットウェの病院にたどり着くこともできなくなったという。

これは、慢性的な健康問題、緊急のニーズ、合併症のある妊娠を抱える患者にとって大きな問題だ。

移動制限はMSFだけでなく、命を救う支援や医療を提供している他の組織や機関にも影響を与えている。

緊急支援のブロック
2023年11月に紛争が再開する前、MSFが支援するキャンプや村の人々が二次病院でのケアを必要としたとき、患者の迎えや車や船での二次病院への搬送など緊急支援をMSFに頼っていた。

しかし、当局が課した移動制限により不可能となり、人々は専門的な医療を受ける選択肢を失っている。

自力で病院にたどり着こうとする人々にとって、それは困難を極め、途中で亡くなる人もいるという。また、費用が高すぎて移動が困難であったり、病院に行くこともできず亡くなったりする人もいる。

すでに機能していない公共医療施設
紛争激化により公共医療施設は完全に閉鎖せざるを得なくなり、診療している施設でも、スタッフ、医療用品、燃料の不足により苦労している。

しかも、ラカイン州では電力が供給されておらず、医療施設は発電機に依存しているが、発電機を動かす燃料は容易に入手できないという。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

国境なき医師団
https://www.msf.org/

国境なき医師団のプレスリリース
https://www.doctorswithoutborders.ca/

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