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2024-01-19 11:30

社会

国際人権団体、インドネシアにロヒンギャの押し戻しと暴行の停止を要請

ロヒンギャ難民
100人以上の学生が一時収容施設を襲撃
米国に基盤を置く国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は1月16日、インドネシア当局に対してロヒンギャ民族難民を乗せたボートのあらゆる押し戻しの即時停止と、調査を行って難民に対するあらゆる暴行を停止するよう要請した。

ロヒンギャはバングラデシュの難民キャンプで制限が増大する絶望感や、ミャンマーでの終わりのない抑圧と暴力により、危険の高い航海に追い込まれている。

HRWによると、2023年12月27日に100人以上のインドネシアの学生が警察の列を突破し、大部分が女性と子どもである137人のロヒンギャ難民が一時収容されていたバンダ・アチェ市の駐車場を襲撃したという。

学生らは難民たちに言葉や身体的暴行を加え、トラックに強制的に乗せて移民を管轄する政府事務所に搬送し、そこで難民の国外退去を要求。アチェ州の他の場所でも、住民らはロヒンギャのボートが海岸に到達するのを阻止しようとしたり、海岸やその他の仮設場所にあるロヒンギャのテントを取り囲んだり、移転を要求したりしている。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、2023年11月以降、ロヒンギャが乗ったボート11隻が到着し、少なくとも1,700人のロヒンギャ難民がアチェ州と北スマトラ州の非公式の場所に上陸しており、その70%以上が女性と子どもだという。

インドネシア海軍にも押し戻されるロヒンギャ難民
HRWは
「インドネシア政府はロヒンギャのボート難民が海で押し戻されて死んだり、反ロヒンギャ暴徒に襲われたりするのではなく、ただちに上陸して保護されるようにすべきである」(プレスリリースより)
と述べた上で、オンラインで到着するロヒンギャに対する暴力を扇動した人物の特定に言及した。

HRWによると、インドネシアではソーシャルメディアを利用してロヒンギャ難民に関する偽情報や誤情報を広めているため、ロヒンギャが危険にさらされているという。

さらに12月28日には、インドネシア海軍がロヒンギャ難民のボートをアチェ最北のウェー島沖の海に押し戻している。これは国際法的義務に違反した行為で、これまでのインドネシアの人道的な評判に反するものであった。

(画像はプレスリリースより)
(C)2023 AP Photo/Reza Saifullah


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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