2023-08-20 18:30
経済
H&M、労働者虐待疑惑の増加でミャンマーでの事業から撤退
「段階的な撤退」を決定
世界第2位のファッション小売業者であるH&Mは8月17日、ミャンマーの縫製工場における労働者虐待の申し立てが増加していることを受け、同国での事業から「段階的に撤退」することを決定したという。H&Mの広報担当者は、ミャンマーの最新動向を非常に注意深く監視し、同社の基準と要件に従って事業を遂行する上で課題が増大していることに言及した上で、
「慎重に検討した結果、ミャンマーでの事業から段階的に撤退する決定を下した」(CNNより)
と述べている。H&Mによると、3月の時点でミャンマー国内には41の工場があり、約4万2,000人の従業員から製品を調達しているが、工場を直接所有してはおらず、独立したサプライヤーに生産を委託しているという。
縫製工場における労働者の現状
英国に本拠を置く人権擁護団体「ビジネスと人権リソースセンター(BHRRC)」が、ミャンマー国内で少なくとも10万8,000人の縫製労働者に影響を及ぼした「虐待および人権侵害の疑いを指摘する報告書」を発表したことを受け、H&Mは8月16日、ミャンマーの縫製工場における労働者虐待の疑いがある20件を調査していると発表していた。BHRRCによると、賃金削減と賃金未払いが大きな問題であり、報告された事件の半数以上がこの問題に関連していることが判明している。また、強制的で「多くの場合無給」の残業が事件の42%に関連しているという。
さらに、BHRRCの報告書では
「言葉、心理的、身体的虐待、妊娠差別など、ジェンダーに基づく暴力やハラスメントが蔓延している」(CNNより)
と指摘している。なお、申し立ての数は1年間でほぼ3倍に増加したという。
(画像はJust Styleより)
外部リンク
H&M phasing out Myanmar production on due diligence concerns
https://www.just-style.com/
H&M to 'phase out' sourcing from Myanmar amid increasing reports of labour abuses in garment factories
https://www.channelnewsasia.com/
H&M will ‘phase out’ operations in Myanmar after more worker abuse allegations
https://edition.cnn.com/
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