2023-01-25 15:00
社会
人権団体と16人の申立人、ドイツでミャンマー軍を相手に訴訟

不処罰を享受するミャンマー軍
東南アジアに拠点を置く国際人権団体のフォーティファイ・ライツ(Fortify Rights:FR)とミャンマー人である16人の申立人は1月24日、2021年の政権奪取後と2017年のイスラム系少数民族のロヒンギャに対する取り締まり中に犯したとされる大量虐殺、戦争犯罪、人道に対する罪で、ミャンマーの将軍たちの処罰を求める刑事告発をドイツで起こしたことを明らかにした。2023年2月1日には軍事クーデターから2年、8月にはミャンマー軍によるロヒンギャ迫害から6年が経とうとしている。しかし、これらの件に関してミャンマー軍は犯罪の責任を問われていない。
FRの最高経営責任者兼共同創設者であるMatthew Smith氏は、
「国際的な注目といくつかの進行中の説明責任イニシアチブが進行中にもかかわらず、ミャンマー軍は依然として完全な不処罰を享受しており、それは終わらせなければならない。 これらの犯罪を無罪にすることはできない」(プレスリリースより)
と述べた上で、「ドイツの普遍的管轄権法は、犯罪がどこで発生し、生存者がどこにいるかに関係なく、最悪の犯罪に対する不処罰と闘い、残虐行為の生存者に司法へのアクセスを提供するための世界的なモデルだ」(プレスリリースより)
とつけ加えている。普遍的管轄権は、犯罪が発生した場所や加害者または被害者の国籍に関係なく、大規模な残虐行為の犯罪(ジェノサイド、人道に対する罪、および戦争犯罪)の責任を負う個人を国が訴追できるようにする法的原則である。
犯罪を生き延びた申立人
FRによると、申立人は全員ミャンマーでの犯罪を生き延びたか目撃しており、その後、多くの人が国外に逃亡。現時点でミャンマー、バングラデシュ、インド、マレーシア、ドイツ、米国など、いくつかの国に住んでいるという。申立人にはいくつかの民族を代表する6人の女性と10人の男性が含まれ、彼らは学生、学者、農民、人権擁護者、ビジネスマン、元村長、主婦である。
ドイツ当局に提出された訴状は公開されていないが、訴状ではミャンマー軍が体系的に殺人、レイプ、拷問、投獄、行方不明、迫害、その他のジェノサイド、人道に対する罪、国際法違反の戦争犯罪に相当する行為があったと主張しているという。
なお、FRと申立人は訴状の中で、大量虐殺犯罪の責任を負う特定の軍関係者やその他の人物について、ドイツ検察官による調査を要求している。
(画像はプレスリリースより)
(C)Yan Naing Aung, February 26 2021
外部リンク
フォーティファイ・ライツ
https://www.fortifyrights.org/
フォーティファイ・ライツのプレスリリース
https://www.fortifyrights.org/
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