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2023-01-20 09:30

社会

バングラデシュ警察によるロヒンギャ難民への虐待:国際人権団体

ロヒンギャ
キャンプ内の安全性が低下
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は1月17日、バングラデシュの武装警察大隊(APBn)がすでに犯罪組織や武装集団からの暴力に直面しているロヒンギャ難民に対して、恐喝、恣意的な逮捕、嫌がらせを行っていると指摘した。

2020年7月、APBnはロヒンギャ難民キャンプの治安を引き継いでいる。難民と人道支援活動家は、APBnの監視下で警察による虐待や犯罪行為が横行し、安全が悪化したと報告。一部の難民は、APBn隊員とキャンプで活動している武装グループおよびギャングとの間の共謀を主張している。

HRWは、
「コックスバザールのキャンプでの警察による虐待により、ロヒンギャ難民は、彼らを保護するはずの軍隊の手によって苦しんでいる」(プレスリリースより)
と述べた上で、
「バングラデシュ当局は、APBnの将校による広範な恐喝と不法拘留の申し立てを直ちに調査し、責任者全員に責任を負わせる必要がある」(プレスリリースより)
とつけ加えた。

支援するスタッフも標的に
HRWによると、2022年10月と11月に40人以上のロヒンギャ難民にインタビュー。さらに、警察の報告書を精査し、APBn隊員による16件以上の深刻な虐待を確認しているという。

これらには薬物、人身売買、暴力関連の捏造された理由で拘留された10人の難民に対する虐待が含まれている。また、HRWが調査したほぼすべてのケースで、APBn隊員による直接的あるいは間接的な恐喝が含まれていた。

警察は通常、逮捕を回避するために1万から4万タカ(100から400米ドル)を要求。拘留された家族の釈放には5万から10万タカ(500から1,000 ドル)を要求したという。

また、ソーシャルメディアでAPBnの嫌がらせを共有した人は標的となり、国際機関で健康ボランティアとして働く人のパソコンを没収した上で逮捕。その他にも、医療ボランティアが仕事用の携帯電話を没収された。

ロヒンギャの犠牲者の多くは非政府組織や教師として働いており、人道支援団体はAPBnによるハラスメントがスタッフや運営に与える影響について懸念を表明している。

(画像はプレスリリースより)
(C)2021 Mushfiqul Alam/NurPhoto via AP


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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