2023-03-03 18:00
社会
ミャンマー軍事政権が戒厳令を延長:国際人権団体
延長・拡大を続ける厳戒令
米国に基盤を持つ国際人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、ミャンマーの軍事政権が2月22日、同月初めに国内の37の郡区で戒厳令を延長した後、ザガイン地域の3つの郡区に対する戒厳令を発表したという。これにより現在、チン州、カチン州、カレン州、カレンニー州、モン州、およびヤンゴンとマンダレー地域で計50の郡区が戒厳令下に置かれている。
ミャンマー北西部の3つの郡区は現在、深刻な人権侵害で欧州連合から制裁を受けている地域軍司令官のThan Htike少将の行政および司法管轄下にあるという。
この地域で起きた人権侵害には、2022年9月に11人の子どもが殺害されたDepayin郡区の過剰な武力行使と学校への攻撃が含まれる。
人々への抑圧を可能にする厳戒令
HRWは、ミャンマー軍事政権の戒厳令の適用が不相応であり、広範で、無制限の対応を許していると指摘。このような厳戒令は自由な表現、平和的な集会、結社に対する基本的権利をさらに抑圧することを可能にし、本質的に進行中の軍事的虐待が抑制されず、責任者が責任を負わないことを保証するものだと懸念を示している。
また戒厳令下では、軍事法廷でクーデターの反対者は弁護を行う十分な機会のない非公開の審問となり、被告人に公正な裁判の機会を与えていない。そのため軍事法廷で裁判にかけられた被告人は、彼らに対する証拠に関係なく、ほぼ確実に有罪判決に直面し、被告人には上訴する権利がないという。
ミャンマーの軍事政権は過去2年間、軍事政権に反対した人々を残忍に扱っている。HRWは戒厳令が敷かれている限り、軍が意向を変えるつもりがないことは明らかだと指摘している。
(画像はプレスリリースより)
(C)2021 Hkun Lat/Getty Images
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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