2022-12-10 11:00
政治
米国、ミャンマーとの外交関係を格下げ

後任大使を派遣せず
複数のメディアによると、現在のミャンマー駐在米国大使であるトーマス・ヴァイダ(Thomas Vajda)氏の任期が終了する12月末以降、米国はミャンマーとの外交関係を格下げし、後任者を送らないという。米国国務省のスポークスマンは、
「ヴァイダ大使の退任に伴い、デボラ・リン(Deborah Lynn)首席公使がヤンゴンの米国大使館の代理公使としての任務を引き継ぐ」(NIKKEI Asiaより)
と電子メールで回答している。ヴァイダ大使は2021年1月、民主的に選出されたアウンサンスーチー政権が打倒される直前に就任した。
米国は1990年代から旧軍事政権が国を統治していた約20年間、ミャンマーに大使を派遣していなかったが、2010年の選挙後、ミャンマーの民主化プロセスが加速したため、外交の一環として他国に先駆けて関係正常化に向けて迅速に動いている。
軍事政権に正当性を与える可能性あり
2016年から2020年まで4年間、ミャンマーで駐在米国大使を務めたスコット・マルシエル(Scot Marciel)氏によると、米国の外交関係格下げはミャンマーの国家行政評議会(SAC)として知られる与党軍事政権に信任状を提示したくないからだという。つまり、新しい米国大使がSACに信任状を提示すれば、米国が軍事政権に正当性を与えることになり、ワシントンはそれを望んでいないということだ。
なお、大使不在でミャンマーに大使館を維持している国は、ドイツ、イタリア、オーストラリア、カナダ、韓国などで、欧州連合諸国はミャンマーに大使を派遣しないことに非公式に合意しているという。
(画像はVOAより)
外部リンク
Source to VOA: US to Downgrade Relations with Myanmar
https://www.voanews.com/
United States to downgrade diplomatic ties with Myanmar
https://www.anews.com.tr/
U.S. to downgrade Myanmar ties, decides not to send ambassador
https://asia.nikkei.com/
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