• TOP
  • >
  • 政治
  • >
  • 主要な民族武装組織がミャンマー軍事政権との和平交渉を拒否
2022-05-12 19:00

政治

主要な民族武装組織がミャンマー軍事政権との和平交渉を拒否

和平交渉
主要なEAOの拒否で和平プロセスに進展なしか
ミャンマー軍事政権の暫定首相であるミン・アウン・フライン上級大将は4月22日、武力紛争を終わらせるためにすべての民族武装組織(EAO)を和平交渉に招待し、5月9日までに申し出を受け入れるよう伝えていたが、同国の主要なEAOは和平交渉への参加を拒否したという。

参加を拒否したEAOは、全ビルマ学生民主戦線(ABSDF)、チン国民戦線(CNF)、カチン独立機構(KIO)、カレン民族同盟(KNU)、カレンニー民族進歩党(KNPP)の5つだ。

ミャンマーには約20のEAOがあり、そのうち10のみが全国停戦協定に署名。今回交渉を拒否したABSDFとKNUとCNFはすでに全国停戦協定に署名しているが、軍事クーデター以降、政権に反対している。

現在、戦闘地帯で活動している主要なEAOによる交渉参加の拒否は、そこでの戦闘が増えることを意味しており、軍事政権による和平プロセスは何も達成されないとの意見もある。

すべての利害関係者が参加できる状況にない
KIOは5月5日に発表した声明で、ミャンマーの内戦の根本原因がまだ認識されていないことを指摘し、軍の指導者との会談は、軍と対等に交渉するよう求められた場合にのみ実りあるものになるとの見解を示した。

また、ミャンマーで最も古く最も強力な民族武装グループの1つであるKNUも9日に声明を発表し、
「交渉への招待は限られ、すべてを網羅しているわけではないため、持続可能な平和をもたらしたり、武力紛争を終わらせたりすることはないと我々は信じている。交渉はすべての利害関係者が参加できる状況を作り出すものではないため、我々は交渉に参加しない」(The Irrawaddyより)
と述べている。

参加を拒否したEAOが“すべての利害関係者が参加できる状況ではない”と主張する理由は、軍事政権が影の国民統一政府(NUG)と民主主義の国民防衛隊(PDF)が交渉に参加することを拒否したからだ。

軍事政権はNUGとPDFを「テロリスト」と見なし、
「テロリストとは話をしない」(Radio Free Asiaより)
と繰り返している。

しかし、NUGとPDFはさまざまなEAOと一緒に戦ってきたため、参加を拒否したEAOは軍事政権のやり方を受け入れられないという。

(画像はThe Irrawaddyより)


外部リンク

Myanmar’s 4 strongest ethnic armies reject junta invitation to peace talks
https://www.rfa.org/

Myanmar Junta's Peace Talks in Disarray as Major Ethnic Armies Reject Invitations
https://www.irrawaddy.com/

Five ethnic armed organisations refuse to meet with Myanmar junta chief
https://www.myanmar-now.org/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook