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2019-09-27 04:00

社会

国際人権団体、ミャンマー政府による批判者の告訴増加に懸念

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
複数人を名誉毀損で告訴
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は9月23日、ミャンマー政府に対して批判的な発言をしたことで一般人が刑事告訴されるケースが増加していることに懸念を示した。

HRWによると、過去2週間でアウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(National League for Democracy:NLD)の党員が、政府を批判する者を複数人、名誉毀損で訴えたという。

NLDのマンダレー地域事務所は9月18日、Facebookにマンダレーの首相に関する風刺的な投稿をしたAung Pyae San Win氏とSwam Ka Bar氏に対して、名誉毀損罪で申し立てを行った。

また同じ週に、NLDのMaubin郡区支部の議長も、漫画家のNaing Zaw Oo氏を刑事告訴。ソーシャルメディアの投稿でNLDとその支部を批判したことにより、名誉毀損罪で訴えられている。

国軍とNDLはどちらも電気通信法を利用
これらのすべての訴訟は、2017年8月に改正された電気通信法のセクション66(d)に基づいたもので、ネットワークを使用して他人を中傷すると最高で懲役2年が課せられるという。

ミャンマー国軍もこれまで同法律により批判者を黙らせてきたといわれており、HRWは国軍とNDLはどちらも同法律を利用しているとの見解を示した。

現在起訴されているのは、国軍を風刺的に批判したタンジャット(Thangyat)パフォーマンスの出演者やエーヤワディー・ニュース・マガジン(The Irrawaddy)の編集者、およびすでに1年の刑を宣告された映画監督のMin Htin Ko Ko Gyi氏が含まれる。

HRWはアウンサンスーチー国家顧問に対し、国軍を支配できなくても自身の党を支配することはできるとした上で、
「NLD党員に平和的な言論に対して刑事訴訟を起こさないよう指示すべきである」(プレスリリースより)
と述べ、同法律の廃止を訴えた。

また、同法律が廃止されない限り、ミャンマーでは政府や国軍を批判すると投獄され続けると警告している。

(画像はプレスリリースより)
(C)2018 Thein Zaw/AP Photo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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