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2019-08-22 15:00

社会

国際人権団体、ロヒンギャ帰還の一時停止を要請

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
ロヒンギャは暴力や抑圧に直面すると抗議
米国に基盤を持つ国際的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は8月20日、安全かつ尊厳が守られた状態で自発的に帰還できるまで、イスラム系少数民族ロヒンギャのミャンマー帰還を一時停止するべきとの見解を明らかにした。

ミャンマーとバングラデシュの両政府は、22日からロヒンギャの帰還を再開することを決定。しかし、バングラデシュの難民キャンプにいるロヒンギャは、帰還すれば以前と同じように暴力や抑圧に直面すると抗議している。

ミャンマー当局は、バングラデシュ当局から提出された2万2,000のリストから、最初の帰還について3,454人を確認したと明言。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)とバングラデシュ当局は、これらの難民が帰還を希望しているか確認中だという。

安全かつ尊厳が守られた状態ではない
HRWのMeenakshi Gangulyディレクターは、
「ミャンマーはまだロヒンギャに対する体系的な迫害と暴力に対処していないため、難民には帰還後の安全が確保されていない」(プレスリリースより)
と述べている。

ロヒンギャを再び逃げることを余儀なくされる環境に戻すべきではないというのがHRWの見解だ。

実際、難民キャンプで暮らすロヒンギャの多くは、ミャンマー国軍に家族を殺された人たちであり、再び同じ体験をしたくないと考えるのは当然である。

HRWによると、ミャンマー・ラカイン州の状況は、安全かつ尊厳が守られた状態で自発的に帰還できるものではなく、ラカイン州に残るロヒンギャは継続的な迫害と暴力を受け、自由のないキャンプでの生活を強いられているという。

帰還をスムーズに進めるためには、難民の安全、基本的権利、市民権など、さまざまな課題が残されている。

(画像はプレスリリースより)
(C)2019 AP Photo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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