2019-05-18 07:00
社会
CPJ、非合法結社法違反でジャーナリストを逮捕するミャンマーに懸念

報道を制限するために非合法結社法を使用
ジャーナリストの権利を守り、世界各国の言論弾圧を監視する非営利団体のジャーナリスト保護委員会(Committee to Protect Journalists:CPJ)は5月13日、ミャンマー当局に対して同国の報道機関であるDevelopment Media Group(DMG)のAung Marm Oo編集長への嫌がらせや脅迫をやめるべきだと懸念を示した。CPJによると、ミャンマー当局は5月1日、禁錮5年と罰金が科される可能性のある非合法結社法(Unlawful Association Act)違反でDMGのAung Marm Oo編集長逮捕を訴えたため、同編集長は身を隠しているという。
ミャンマー・ラカイン州シットウェ(Sittwe)を拠点とするDMGは、国軍部隊が反政府勢力と対立している同州西部の政治、社会、安全保障について定期的に報告。しかしCPJは、ミャンマー当局が武力紛争に関する報道を制限するために植民地時代の非合法結社法を適用し、ジャーナリストを逮捕していると主張している。
CPJ東南アジア代表のショーン・クリスピン(Shawn Crispin)氏は、
「ミャンマーにおける報道の自由の状況は、ジャーナリストが非公開の告発での逮捕を回避するために現在隠れているほど悪化している」(プレスリリースより)
と述べた上で、「ミャンマー当局はAung Marm Oo氏への嫌がらせをやめて、報復を恐れずに彼の独立系メディアグループによる報道を続けさせるべきだ」(プレスリリースより)
とつけ加えた。根拠のない訴訟の防止を要請
CPJとAung Marm Oo編集長は電子メールで連絡を取り合っており、同編集長は公安警察が家族や同僚に自分の行方を尋ねたとメールで語っている。同編集長によると、DMGのNay Win San記者とThet Naing記者は、それぞれ5月5日と6日にシットウェ警察署で尋問されたが、尋問の間に警察はどのようなニュース記事や報道が告発を促したのかを明らかにしなかったという。
Aung Marm Oo編集長は5月8日、メディア紛争の解決を担当する独立機関であるミャンマー報道委員会(Myanmar Press Council)に、メディア法で認められているようにジャーナリストに対する根拠のない訴訟を防止するよう要請。現在のところ、同委員会から返答はないという。
(画像はプレスリリースより)
(C)Reuters/Soe Zeya Tun
外部リンク
CPJ
https://cpj.org/
CPJのプレスリリース
https://cpj.org/myanmar
DMG
https://www.dmediag.com/
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