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2020-05-27 19:00

社会

ミャンマー・ラカイン州で約200戸焼失、国際人権団体が調査を要求

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
過去の放火攻撃と類似
米国ニューヨークに本部を置く国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は5月26日、衛星画像によりミャンマー西部ラカイン州で約200戸の家屋やその他の建物が同月16日の火災で焼失したことを明らかにした。

家屋等が火災により大量破壊されたのはラカイン州ミャウウー郡区(Mrauk-U township)Let Kar村で、ミャンマー国軍が2012年、2016年、2017年に行ったロヒンギャの村への放火攻撃と非常によく似ているという。

HRWのアジア担当副局長のフィル・ロバートソン(Phil Robertson)氏は、ロヒンギャが暮らす村でここ数年間に起きた火災はすべて国軍によるものであることに言及した上で、
「何が起こったのかを突き止めて責任者を罰し、被害を受けた村人に補償を提供するためには、信頼できる公平な調査が緊急に必要だ」(プレスリリースより)
と述べている。

火災発生時刻と国軍兵士が村に入った時刻が一致
HRWによると、16日午前10時30分に記録された衛星画像では被害の兆候が見られないが、午後2時12分に環境衛星が大規模な火災を検出したという。

このエリアには立ち入りが制限されているため現地での確認は取れないものの、HRWは衛星画像から被害を分析。焼失家屋は200戸より多い可能性が高いという。

一方、火災の日時と家屋の被害は目撃者の説明と一致している。

隣接する村では午後2時頃、国軍兵士がLet Kar村に入り、午後5時頃に村を離れたのを目撃したと現地メディアは報道している。また、兵士がLet Kar村に入った後、銃声を聞いたり炎や煙を見たりした人もいるという。

なお、火災による大量破壊があった村の住民は昨年の戦闘後に避難しており、今は誰も住んでいない。

(画像はプレスリリースより)
(C)2020 Planet Labs


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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