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2020-04-14 20:00

経済

EU、新型コロナウィルス影響の縫製業界に500万ユーロの緊急現金基金を支援

EU
数万人の縫製労働者が一時帰休や失業
欧州連合(以下、EU)は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で職を失ったミャンマーの縫製労働者を支援するために、500万ユーロの緊急現金基金「Myan Ku」を設立したことを発表した。

3月末現在、ミャンマーの主要産業である縫製産業において、新型コロナウィルス感染拡大による経済の大打撃のために、40以上の工場で25,000人以上の労働者が解雇された。国内にいる主に女性の縫製労働者70万人のうち、35万人が無給で一時帰休するか失業する可能性が高い。

ミャンマー縫製業協会の事務局長であるDaw Khine Khine Nwe氏は、次のように述べた。
「ミャンマーには600近くの縫製工場があるが、3月以来、多くの工場が閉鎖し数万人の労働者が解雇されており、4月はさらに増えるだろうと予測している。今後数か月、こうした弱い立場の労働者と家族が困難に直面するので、このMyan Ku緊急現金基金は彼らの重要なライフラインとなるだろう。」(プレスリリースより引用)

現金による救済は、オンライン支払のWave Moneyを介して提供される。対象者は、失業中または自宅からの立ち退きという問題に直面している労働者、契約が違法に終了され、それによる無責任な慣習に対応する労働者、労働者の雇用継続、または少なくとも同等のサポートを行うことを了承した中小企業の労働者である。

受領する人は、労働組合や地元の市民社会組織と協議のうえ選択される。

クリスチャン・シュミット駐ミャンマーEU大使は、次のように述べた。
「EUへの縫製品の輸出は大きな成功を収めており、ミャンマーの縫製品売り上げの70%はEUへの輸出によるものである。ミャンマー全土で45万人の女性の雇用が生まれており、何千人もの生活を向上させるのに役立っている。2011年に市場を開設して以来、労働者権利の拡大、環境基準の工場、国の製造拠点の設立を強く後押ししてきた。工場を閉鎖し何万もの縫製労働者が失業することは非常に痛恨であり、こうした女性と家族を支援するために迅速な対策が必要である。」(プレスリリースより引用)

世界的な需要の停滞、サプライチェーンの混乱も
新型コロナウィルスの危機は、グローバルサプライチェーンを混乱させ、輸入原料の不足、世界的な需要の停滞、縫製工場での感染リスクなどが起こっている。

ミャンマー労働組合総連盟の会長であるMaung Maung氏は、Myan Ku基金に対する謝意を示し、「ミャンマーの政治指導者は現在、予防と封じ込めに必要な活動を行い、国民はそれに参加し従っている。国際社会からの支援と、地域で実施されている予防対策により、ミャンマーはパンデミックと、それによる影響を克服することができるだろう。」と述べた。

一方、経済社会開発センター(CESD)の事務局長であるZaw Oo博士は、サプライチェーンの混乱と発注キャンセルと複合的な影響が深刻となる前に、迅速で大規模な支援がされたことに感謝し、次のように説明した。
「CESDが実施した縫製業界に関する迅速な評価によると、工場の40%が新型コロナウィルスによる影響を強く受けており、そのうちの3分の1がEUの工場に依存している。この支援は影響を緩和し、パンデミックと戦うために、利害のある3者間の連帯を保つことができる。また、委託加工部門の社会的保護と回復という長期戦略の策定に役立つだろう。」(プレスリリースより引用)

EUは、国連プロジェクト・サービス機関が管理する、人道支援と開発援助の連携対応メカニズム(NRM)を通じて、500万ユーロの現金資金を提供した。Myan Kuプロジェクトは、ミャンマーの縫製業界における生産基準と企業の社会的および環境的責任を強化するため、EUの長年にわたる主要プロジェクトである「SMART Textile&Garments」によって実施される。

(画像はEuropean Union External Actionより)


外部リンク

European Union External Action
https://eeas.europa.eu/

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