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2020-01-24 06:00

政治

国際人権団体、ミャンマー政府調査委員会の報告書に反発

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
報告書は不十分
米国に基盤を置く国際的な人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は1月22日、イスラム教少数民族ロヒンギャへの迫害問題でミャンマー大統領府が21日に発表した報告書が不十分であるとの見解を示した。

この報告書は2018年8月に同国政府により設立された独立調査委員会によるもので、2017年のロヒンギャに対する「掃討作戦」で、ミャンマーの治安部隊の行動が戦争犯罪と深刻な人権侵害に当たると認めたものの、ジェノサイド(大量虐殺)の意図を示唆する証拠は発見できなかったと結論づけている。

しかし、HRWはこの報告書が国連事実調査団とHRWを含む人権団体による報告結果に反していると指摘。

HRWのアジア・ディレクターであるブラッド・アダムズ(Brad Adams)氏は、
「国連の調査結果に反して、この報告書はロヒンギャに対する残虐行為の規模を認めることを拒否した上、国軍の性暴力の広範な使用も衝撃的に否定し、軍高官に責任を負わせていない。この報告書は、大規模犯罪に対する正義と説明責任の信頼できる根拠が示されていない」(プレスリリースより)
と述べている。

ロヒンギャ難民へのインタビューは実行されず
HRWはまた、ミャンマー政府により設立された同独立調査委員会が政府と緊密に連携し、政治的に歪んだ不透明な調査であったとの見解も示している。

同独立調査委員会は首都ネピドーとヤンゴンに2つの証拠収集および検証チームを配置しているが、報復を恐れることなく話すことができるバングラデシュへ逃避したロヒンギャ難民にはインタビューしていないという。

HRWのブラッド・アダムズ氏は、同独立調査委員会が残虐行為を計画・命令した軍高官を保護しながら、国際社会が指摘した人道に対する罪とジェノサイドという意見を鎮めようとしていると指摘。

ミャンマー当局が残虐行為に対する世界的な疑念に対処したいなら、軍事指揮系統の役割から独立した国際調査を許可する必要があるとの見解を示した。

(画像はプレスリリースより)
(C)2020 AP Photo/Aung Shine Oo


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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