2019-12-18 02:00
政治
スーチー国家顧問、国際法廷で棄却要求 ジェノサイド条約違反訴訟
自国の司法制度で裁く機会を
ミャンマー国軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャへの迫害がジェノサイド(大量虐殺)条約違反として迫害停止の暫定措置を国際司法裁判所(ICJ)に求めた訴訟の聴聞会で、同国の事実上のリーダーであるアウンサンスーチー国家顧問は、同訴訟を棄却するよう求めた。ICJでは12月10日より聴聞会が開かれており、3日目となる12日にスーチー国家顧問は、
「ミャンマーは裁判所にリストから訴訟を削除するよう要求している」(REUTERSより)
と述べた上で、「その代わりに、裁判所はガンビアが提訴した訴訟を棄却するべきだ」(REUTERSより)
と付け加えている。さらに、迫害停止の暫定措置をとることで、進行中の本国送還プロセスを妨げる可能性があると警告。スーチー国家顧問は、国際法廷の前に自国の司法制度で裁く機会が与えられるべきとの見解を示した。
なお、アフリカの小さな国ガンビアは、57ヵ国のイスラム協力機構(Organisation of Islamic Cooperation)に代わって、ロヒンギャ迫害に関する問題をICJに提訴している。
迫害行為について言及なし
ガンビアのポール・ライヒラー(Paul Reichler)弁護士は、「ミャンマーは聴聞会で、国軍に対する極端な暴力の告発や2017年の弾圧後のロヒンギャ国外追放を否定しようとさえしなかった」(REUTERSより)
と述べた上で、不法行為で告発された兵士を訴追するために行動を起こしているというミャンマーの声明は信頼できないとの見解を示した。また、ガンビアの他の弁護士は、女性と子供に対する性的暴力の疑惑、および集団強姦について言及していないとしてミャンマーを非難。
さらに、米国がミャンマー国軍最高司令官を含む4人に対して課した制裁についても言及した。
ICJは、暫定措置に関する最終決定を“できるだけ早く”行うという。
(画像はThe Irrawaddyより)
外部リンク
Myanmar's Suu Kyi urges World Court to drop genocide case
https://www.reuters.com/
Myanmar State Counselor Asks World Court to Reject Genocide Case
https://www.irrawaddy.com/
State Counsellor asks court to dismiss genocide case against Myanmar
https://www.mmtimes.com/
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