2020-08-22 12:00
政治
【ミャンマー総選挙】ロヒンギャにとって文民政権は旧軍事政権と変わらず

ロヒンギャの出馬を拒否
米国に基盤を置く国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は8月18日、ミャンマー政府が再びイスラム系少数民族ロヒンギャの総選挙出馬を阻止していると指摘した。HRWによると、ミャンマー選挙管理委員会は17日、ロヒンギャ主導の政党「民主人権党(DHRP)」の代表であるKyaw Min氏の11月の総選挙出馬を拒否したという。
同氏は他のDHRPメンバー2人とともに、両親の市民権を理由に立候補が認められなかった。ミャンマー議会選挙法では、両親がミャンマー国民であることが義務付けられているが、ロヒンギャの人々を抑圧するために使用される手段の1つだといわれている。
Kyaw Min氏は何十年もの間、コミュニティのために戦い、1990年の選挙では当選した。しかし、旧軍事政権により当選は無効になったという。
また、2005年には妻と3人の子供とともに逮捕され、2012年の恩赦で釈放されるまで、7年間も刑務所で過ごしている。
文民政権になってロヒンギャへの迫害が加速
Kyaw Min氏によると、立候補が拒否されたのは今回が初めてではなく、2015年の総選挙ではロヒンギャの投票権が剥奪され、選挙管理委員会は同氏を含むDHRPのメンバー14人の出馬も拒否したという。2016年にアウンサンスーチー国家顧問が率いる国民民主連盟(NLD)が政権を手にして期待が高まったが、ロヒンギャへの対応は変わらないばかりか、ラカイン州で国軍によるロヒンギャ迫害が起こり、74万人以上のロヒンギャが隣国バングラデシュへの逃避している。
また、国内に残る約60万人のロヒンギャも、キャンプや村に閉じ込められ、市民権も投票権も与えられていない。
民主主義を推進するミャンマー文民政権は、旧軍事政権とどこが変わったのだろうか。
(画像はプレスリリースより)
(C)2014 AP Photo
外部リンク
ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/
ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/
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