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2020-07-29 18:30

社会

国際人権団体、ミャンマー政府に違法なインターネット制限の解除を要請

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
地雷使用では制限を正当化できない
米国に基盤を持つ国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は7月27日、ミャンマー政府により行われている同国ラカイン州とチン州のインターネット制限で民間人がさらに危険にさらされているとして、直ちに解除するよう要請した。

HRWによると、ミャンマー政府のインターネット制限により、支援の調整、正確な情報の収集、虐待の監視が妨げられているという。

同政府は6月30日、国連人権理事会への声明で
「武装グループのアラカン軍(AA)がモバイルインターネットテクノロジーを利用してIED(即席爆発装置)を爆発させるのを防ぐために、インターネット制限が必要である」(プレスリリースより)
と述べ、制限に関する新たな理由を提示した。

しかしHRWは、AAが使用するのはコマンドによって爆破される地雷で、インターネットを必要としない簡単な方法で遠隔操作できるのもだとし、
「ミャンマー政府によるラカイン州とチン州での長期にわたるインターネット制限の最近の言い訳には根拠がなく、現場の状況に反している」(プレスリリースより)
と明言している。

これまでの経緯
ミャンマー政府は2019年6月に最初のインターネット制限を課し、9月1日に一部の地域で解除された。しかし、AAが「国軍によるラカイン州でのロヒンギャ虐殺の証拠を公表する」と発表した2020年2月3日、再度制限を課している。

その後、5月2日にマウンドー郡区で制限が解除されたが、8つの郡区では制限を継続。国軍はインターネット制限の解除の予定はないとしている。

インターネット制限を開始した当初、政府は通信会社に対して制限の理由を「セキュリティ要件と公共の利益」と述べ、それ以降は「戦闘の激化」と説明。また、ヘイトスピーチ、ナショナリストの情操、偽情報、および「軍事秘密」をオンラインに掲載することへの懸念なども理由に挙げている。

(画像はプレスリリースより)
(C)2018 Phyo Hein Kyaw/AFP/Getty Images


外部リンク

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
https://www.hrw.org/

ヒューマン・ライツ・ウォッチのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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