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2018-02-26 22:00

社会

国際人権団体、新たな衛星画像でロヒンギャ村の破壊停止を要求

ヒューマン・ライツ・ウォッチ
少なくても55の村の建造物と草木を破壊
米国に基盤を持つ国際的な人権NGOであるヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch:HRW)は2月23日、ミャンマー政府がイスラム系少数民族ロヒンギャが暮らすラカイン州の村々を破壊していると新たな衛星画像を提示した。

HRWは、国連安全保障理事会、国連関連機関、ミャンマーの援助国が、ミャンマー政府に対してロヒンギャ村の破壊を直ちに停止するよう要求すべきであり、国連事実調査団がアクセスできるようになるまで維持すべきだと訴えている。

HRWによると、ミャンマー政府は2017年後半から重機を使用して、少なくても55の村の建造物すべてと草木を一掃しているという。

これらの村のほとんどは、ロヒンギャに対する治安部隊の「民族浄化」作戦中に放火によって完全にまたは部分的に破壊された362の村に含まれる。

また、放火により部分的に破壊された村でも建造物が破壊され、更地のようになっているという。

HRWは、
「政府が数十の村を一掃すれば、ロヒンギャの人々は家に帰れるのかと懸念が高まるだけだ」(プレスリリースより)
と述べている。

アクセス拒否で深まる懸念
これまでミャンマー政府は、国連、メディア、HRWなどの人権団体から報告された情報を否定し、治安部隊による違反や虐待は一切行われていないとしている。

しかし、昨年12月下旬にInn Din村で大規模墓地が発見されたため、治安部隊と村民が不法に10人の男性を殺害したことを認め、この事件に関与する16人を逮捕した。

ミャンマー政府は2017年3月、人権理事会が結成した国連事実調査団のビザ発給を拒否し、北部ラカイン州の被災地での証拠収集を阻止。さらに、すべてのメディアと人権団体のラカイン州へのアクセスを妨げている。

HRWは、
「意図的に重大犯罪の証拠を隠滅するために村を破壊することは、正義の妨げになる」(プレスリリースより)
と述べ、深い懸念を示した。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

Human Rights Watch
https://www.hrw.org/

Human Rights Watchのプレスリリース
https://www.hrw.org/news/

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