2019-02-01 14:00
政治
ミャンマー与党が提出した改憲の動議に国軍議員が反発

国軍議員が投票を拒否
ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー国家顧問が率いる与党、国民民主連盟(NLD)は1月29日、連邦議会に「憲法改正に関する委員会の設置」を提案する緊急動議を提出。しかし、これに対して議席の4分の1を占める国軍議員が反発した。連邦議会では同動議について投票を実施。397人の議員のうち3人が棄権し、17人が反対票を投じたという。
また、国軍議員を含む187人が投票を拒否した。
国軍高官のマウン・マウン(Maung Maung)准将は、
「NLDは法律にしたがって行動していない」(REUTERSより)
と述べた上で、「我々は改正しないとはいっていない」(REUTERSより)
と記者団に語っている。同動議はもともと議題として予定されておらず、NDLのUung Kyi Nyunt議員により“緊急”に申し立てられたという。
スーチー氏の大統領就任を阻む憲法
2008年に軍事政権により改正された現行の憲法は、軍に4分の1の議席を保証し、憲法改正には議員の75パーセント以上の賛成票が必要だと定めている。また、憲法ではスーチー氏が大統領になることを阻止するために、外国籍の配偶者や子どもを持つ者が大統領になることを禁じている。なぜなら、スーチー氏は英国人と結婚し、外国籍の息子が2人いるからだ。
この憲法により、NLDは2015年に地滑り的勝利をおさめたにもかかわらず、スーチー氏を大統領に据えることができず、大統領の上に立つ「国家顧問」という新たな役職をつくり、国政を支配してきた。
なお、今回の憲法改正に向けた動きは2020年に迫った選挙を見据えたもので、公約を果たす姿勢を示しているとみられる。
(画像はRadio Free Asiaより)
外部リンク
Myanmar Lawmakers Vote to Form Committee to Propose Changes to Constitution
https://www.rfa.org/
Myanmar Suu Kyi's party clashes with military over proposal to change army-drafted charter
https://www.reuters.com/
Military boycotts vote as Assembly moves to review Myanmar’s constitution
https://coconuts.co/
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