2018-11-16 12:00
特集記事
【第1回】品質は世界トップクラス!コーヒー好きが惚れたミャンマーコーヒーとは【AUNG COFFEE】

今回取材をさせていただいたのは、オンラインコーヒーショップ、『AUNG COFFEE』の代表、奥富毅人(おくとみ たけひと)氏。奥富さんは本業は会社員でマーケティングを専門に働く側ら、ミャンマーのコーヒー農家を直接訪ね、独自に輸入したコーヒー豆をオンラインで販売している。
そんな奥富さんに、今世界で注目されつつあるミャンマーコーヒーの魅力を語ってもらった。
まず、奥富さんはどのような経緯でミャンマーコーヒーに出会ったのか、教えてください。
元々コーヒーが昔から好きで、様々なカフェや珈琲会社で仕事もしていました。
旅行も趣味だったので、海外に行ってはその土地のコーヒーを飲んだり農園を訪ねたりしていました。
その流れでミャンマーにたどり着いたのですが、初めてミャンマーに行ったのは2012年、民主化され、外国人がミャンマーに観光で行けるようになったころです。
そのころのミャンマーコーヒーは認知度が低かったのですが、せっかくミャンマーに行くので現地のコーヒーを飲んでみようと飲んでみたのが最初のきっかけです。
飲んでみるとおいしくて、その後調べていくとミャンマーの可能性に気づきました。
ミャンマーのコーヒー豆は他の国のコーヒー豆と何が違うのでしょうか。
コーヒー豆には大きく『ロブスタ』『アラビカ』の2種類がありまして、『ロブスタ』は低地でも育ち大量生産がしやすく、缶コーヒーやインスタントコーヒーに使われています。
一方『アラビカ』は高品質で、さらにその中でもグレードが高いスペシャルティコーヒーと言われるトップ数パーセントのコーヒーの育つ条件が、ミャンマーでは整っているのです。
(コーヒーベルトにあり、標高1500メートル以上、寒暖差の激しい)
そしてそのような土壌がミャンマーにはいくつも見られ、それぞれの地域ごとに特徴が異なったコーヒーが味わえるのです。これは面白いと思い、ミャンマーコーヒーにのめりこんでいきました。
そういうところがミャンマーコーヒーの魅力なのですね。
そうですね。
他にもピンウールインにあるMandalay Coffee Groupやユワーガンの農園に見学しに行ったことがあるのですが、コーヒー豆の管理体制に素晴らしいものがあることに驚きました。
コーヒー豆の生成過程にはいろんなプロセスが踏まれるのですが、よく管理されており雑なプロセスを踏んでいませんでした。
例えば生豆を選別する過程で機械や人の手を通して欠点豆(かびた豆や虫に食われた豆)を選別するのですが、普通はそれでも欠点豆は含まれてしまうものなのです。
ただミャンマーの場合はそれがほとんど含まれていないのです。というのも、欠点豆を選別する人にも資格を与えていて、厳しい管理のもと品質にこだわった丁寧な仕事をしていました。

選別している様子
現地ではどのように調査をされたのでしょう。
シャン州のユワーガンにあるコーヒー農園を直接訪ね歩きました。アポなしだったのですが、農家の方々はとても親切でどんどんいろんな場所に連れて行ってくれました。それが面白いなって思いましたね。
現地では基本英語を使ってコミュニケーションを取っています。ミャンマー語も少し話していますが。

現地のコーヒー農園の情報を集めたノート
どんなところにこだわりをもっているのでしょうか。
AUNG COFFEEではコーヒー豆の質を落とさないために、生豆を輸入しています。焙煎済のコーヒー豆を輸入する方が輸入審査は厳しくないのですが、それでは風味が落ちてしまいます。日本人にミャンマーコーヒーのおいしさを知ってほしいので、そこはこだわっています。
また、AUNG COFFEEの場合、独自のコーヒー農園は持っておらず、現地の各農家さんたちを訪ね歩き直接、品質の高い豆のみを輸入しているので、バラエティに富んだミャンマーコーヒーを楽しむことができます。
コーヒーのイベントにも出店されると伺いました。
今年の7月に東京・増上寺で開催されたミャンマー祭りにも出店したのですが、今月の20日から22日までヤンゴンで開かれる第2回ミャンマーコーヒーフェスティバルに出店します。
イベントでは現地の学生に手伝ってもらい、ミャンマーコーヒーの普及イベントもする予定です。ミャンマーコーヒーは質が高いにも関わらず、現地のコーヒー農家を含めほとんどのミャンマー人はコーヒーを日常的に飲んでいません。英国文化が根強く、喫茶文化はありますが、コーヒーではなく紅茶を飲む習慣のが大きいです。外国人の私がミャンマー人にミャンマーコーヒーをアピールするというのも、不思議なことではありますが(笑)、とにかく現地の人にミャンマーコーヒーを知ってもらい、ミャンマーコーヒーを定着させていきたいのです。
ミャンマーにはコーヒーを淹れる器具も少ないので、実際にコーヒーを淹れる体験をしてもらうイベントも企画しています。日本には世界的に評判の高いHARIOやカリタなどのコーヒー器具メーカーがありますので、それらを使ったコーヒーの抽出を紹介する予定です。ライフスタイルに根付くまでは時間がかかるとは思いますが、まずはそういうところから始まっていくのだと思います。
今は趣味の範囲内での活動ですが、とにかくミャンマーコーヒーを知ってほしいですし、コーヒーの文化を普及させたいと思います。
・・・すみません、熱くなってしまって(笑)
いえいえ、とんでもないです。
コーヒーって歴史があって、各国ごとに歴史を重ねて独自のコーヒー文化があるんですね。
でも、ミャンマーは良い土壌があるのに、そういう文化がほとんどないんです。
国の特産品にも今後なりうるミャンマーコーヒーを、まずは現地の人たちに知ってほしいのです。知らないと、ほかの人に勧められませんから。
コーヒーへの熱い思いが伝わってきますね。今後はどのように活動されていくのでしょう。
本業がありますので、今すぐにというわけではないのですが、未開拓地のコーヒー豆も取り扱いたいです。シャン州同様、ミャンマー北部に位置するチン州、ラカイン州にも山脈地帯があり、地域ごとに違った味わいがあります。州ごとのコーヒー豆を飲み比べできるようにしたら面白いと思っています。
今はオンラインショッピングだけですが、いずれは店舗を構えてその中でやっていけたら思っています。
最後に一言お願いします。
まずは国内での消費を高めるためにもミャンマー人への普及が大切ですが、外国人観光客へのお土産としてもミャンマーコーヒーは適していると思います。旅行者がその土地のコーヒー豆を買うというのはよくあることですから。
そしていつの日か、ブラジルやコロンビアと並ぶコーヒー大国の一角としてミャンマーが位置づけられる、そのポテンシャルはあると思っていますし、その一助になればうれしいです。
ミャンマーコーヒー専門店
「AUNG COFFEE」
https://aungcoffee.com/
ミャンマーコーヒーの購入の他、ミャンマーコーヒーについて詳しく紹介しているページもあります。
そんな奥富さんに、今世界で注目されつつあるミャンマーコーヒーの魅力を語ってもらった。
ミャンマーコーヒーへの出会い
まず、奥富さんはどのような経緯でミャンマーコーヒーに出会ったのか、教えてください。
元々コーヒーが昔から好きで、様々なカフェや珈琲会社で仕事もしていました。
旅行も趣味だったので、海外に行ってはその土地のコーヒーを飲んだり農園を訪ねたりしていました。
その流れでミャンマーにたどり着いたのですが、初めてミャンマーに行ったのは2012年、民主化され、外国人がミャンマーに観光で行けるようになったころです。
そのころのミャンマーコーヒーは認知度が低かったのですが、せっかくミャンマーに行くので現地のコーヒーを飲んでみようと飲んでみたのが最初のきっかけです。
飲んでみるとおいしくて、その後調べていくとミャンマーの可能性に気づきました。
ミャンマーのコーヒー豆は他の国のコーヒー豆と何が違うのでしょうか。
コーヒー豆には大きく『ロブスタ』『アラビカ』の2種類がありまして、『ロブスタ』は低地でも育ち大量生産がしやすく、缶コーヒーやインスタントコーヒーに使われています。
一方『アラビカ』は高品質で、さらにその中でもグレードが高いスペシャルティコーヒーと言われるトップ数パーセントのコーヒーの育つ条件が、ミャンマーでは整っているのです。
(コーヒーベルトにあり、標高1500メートル以上、寒暖差の激しい)
そしてそのような土壌がミャンマーにはいくつも見られ、それぞれの地域ごとに特徴が異なったコーヒーが味わえるのです。これは面白いと思い、ミャンマーコーヒーにのめりこんでいきました。
そういうところがミャンマーコーヒーの魅力なのですね。
そうですね。
他にもピンウールインにあるMandalay Coffee Groupやユワーガンの農園に見学しに行ったことがあるのですが、コーヒー豆の管理体制に素晴らしいものがあることに驚きました。
コーヒー豆の生成過程にはいろんなプロセスが踏まれるのですが、よく管理されており雑なプロセスを踏んでいませんでした。
例えば生豆を選別する過程で機械や人の手を通して欠点豆(かびた豆や虫に食われた豆)を選別するのですが、普通はそれでも欠点豆は含まれてしまうものなのです。
ただミャンマーの場合はそれがほとんど含まれていないのです。というのも、欠点豆を選別する人にも資格を与えていて、厳しい管理のもと品質にこだわった丁寧な仕事をしていました。

選別している様子
現在の活動について
現地ではどのように調査をされたのでしょう。
シャン州のユワーガンにあるコーヒー農園を直接訪ね歩きました。アポなしだったのですが、農家の方々はとても親切でどんどんいろんな場所に連れて行ってくれました。それが面白いなって思いましたね。
現地では基本英語を使ってコミュニケーションを取っています。ミャンマー語も少し話していますが。

現地のコーヒー農園の情報を集めたノート
どんなところにこだわりをもっているのでしょうか。
AUNG COFFEEではコーヒー豆の質を落とさないために、生豆を輸入しています。焙煎済のコーヒー豆を輸入する方が輸入審査は厳しくないのですが、それでは風味が落ちてしまいます。日本人にミャンマーコーヒーのおいしさを知ってほしいので、そこはこだわっています。
また、AUNG COFFEEの場合、独自のコーヒー農園は持っておらず、現地の各農家さんたちを訪ね歩き直接、品質の高い豆のみを輸入しているので、バラエティに富んだミャンマーコーヒーを楽しむことができます。
コーヒーのイベントにも出店されると伺いました。
今年の7月に東京・増上寺で開催されたミャンマー祭りにも出店したのですが、今月の20日から22日までヤンゴンで開かれる第2回ミャンマーコーヒーフェスティバルに出店します。
イベントでは現地の学生に手伝ってもらい、ミャンマーコーヒーの普及イベントもする予定です。ミャンマーコーヒーは質が高いにも関わらず、現地のコーヒー農家を含めほとんどのミャンマー人はコーヒーを日常的に飲んでいません。英国文化が根強く、喫茶文化はありますが、コーヒーではなく紅茶を飲む習慣のが大きいです。外国人の私がミャンマー人にミャンマーコーヒーをアピールするというのも、不思議なことではありますが(笑)、とにかく現地の人にミャンマーコーヒーを知ってもらい、ミャンマーコーヒーを定着させていきたいのです。
ミャンマーにはコーヒーを淹れる器具も少ないので、実際にコーヒーを淹れる体験をしてもらうイベントも企画しています。日本には世界的に評判の高いHARIOやカリタなどのコーヒー器具メーカーがありますので、それらを使ったコーヒーの抽出を紹介する予定です。ライフスタイルに根付くまでは時間がかかるとは思いますが、まずはそういうところから始まっていくのだと思います。
今は趣味の範囲内での活動ですが、とにかくミャンマーコーヒーを知ってほしいですし、コーヒーの文化を普及させたいと思います。
・・・すみません、熱くなってしまって(笑)
いえいえ、とんでもないです。
コーヒーって歴史があって、各国ごとに歴史を重ねて独自のコーヒー文化があるんですね。
でも、ミャンマーは良い土壌があるのに、そういう文化がほとんどないんです。
国の特産品にも今後なりうるミャンマーコーヒーを、まずは現地の人たちに知ってほしいのです。知らないと、ほかの人に勧められませんから。
今後の活動
コーヒーへの熱い思いが伝わってきますね。今後はどのように活動されていくのでしょう。
本業がありますので、今すぐにというわけではないのですが、未開拓地のコーヒー豆も取り扱いたいです。シャン州同様、ミャンマー北部に位置するチン州、ラカイン州にも山脈地帯があり、地域ごとに違った味わいがあります。州ごとのコーヒー豆を飲み比べできるようにしたら面白いと思っています。
今はオンラインショッピングだけですが、いずれは店舗を構えてその中でやっていけたら思っています。
最後に一言お願いします。
まずは国内での消費を高めるためにもミャンマー人への普及が大切ですが、外国人観光客へのお土産としてもミャンマーコーヒーは適していると思います。旅行者がその土地のコーヒー豆を買うというのはよくあることですから。
そしていつの日か、ブラジルやコロンビアと並ぶコーヒー大国の一角としてミャンマーが位置づけられる、そのポテンシャルはあると思っていますし、その一助になればうれしいです。
ミャンマーコーヒー専門店
「AUNG COFFEE」
https://aungcoffee.com/
ミャンマーコーヒーの購入の他、ミャンマーコーヒーについて詳しく紹介しているページもあります。
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