2018-10-12 10:00
社会
ミャンマー警察、地方域政府批判でジャーナリスト3人逮捕

「恐怖や懸念」を引き起こす可能性がある情報の公開
ミャンマー警察は10月10日、同国のイレブン・メディア・グループ(Eleven Media Group)のジャーナリスト3人を刑法第505条(b)に違反しているとして逮捕した。逮捕されたのは編集長を務めるチョー・ゾー・リン(Kyaw Zaw Lin)氏とネイ・ミン(Nayi Min)氏、チーフリポーターのピョー・ワイ・ウィン(Phyo Wai Win)氏の3人である。
刑法第505条(b)はイギリス植民地時代の法律で、「恐怖や懸念」を引き起こす可能性がある情報の公開を禁止するものだ。
3氏の弁護士によると、10月8日に週刊イレブン(Weekly Eleven)に掲載されたヤンゴンのバス交通網の資金調達に関する批判的な記事により逮捕されたという。
このバス交通網事業は、ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー国家顧問の側近であるヤンゴン地方域政府のピョー・ミン・テイン(Phyo Min Thein)首相が主導している計画だ。
3氏が有罪を受けた場合、最高2年の懲役刑になる可能性がある。
ターゲットになるメディア
ミャンマー当局がイレブン・メディア・グループをターゲットにしたのは今回が初めてではなく、2016年11月にヤンゴンの首相が腐敗に関与している可能性があるとの論評を掲載した際にも、最高経営責任者と編集長が2ヶ月間拘留された。また、2013年には記者が名誉毀損、侵入、虐待行為の罪で3ヶ月の懲役を宣告されたという。
米国ニューヨークに本拠を置くジャーナリスト保護委員会(Committee to Protect Journalists:CPJ)のロバート・マホニー(Robert Mahoney)副議長は、
「独立したジャーナリストを黙らせるために植民地時代の法律を使用することは、ミャンマーが民主主義に移行しているというアウンサンスーチー氏の主張を弱体化させている」(CJPより)
と語っている。スーチー国家顧問は今回の事件とは別のインタビューで、
「ミャンマーには多くの報道の自由がある」(CJPより)
と述べているが、ロイター通信の記者2人が有罪判決を受けるなど、「報道の自由」に関する懸念が深まる事件が相次いでいる。(画像はRadio Free Asiaより)
外部リンク
Myanmar arrests three journalists from Eleven Media
https://cpj.org/
Three journalists arrested in Myanmar
https://www.gulf-times.com/
Media Watchdogs Cry Foul as Three Myanmar Journalists Arrested on Incitement Charges
https://www.rfa.org/
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