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2018-09-27 11:00

社会

米国務省「ロヒンギャ迫害は計画・調整されていた」

米国務省
徹底的に広範囲で大規模に行われた暴力
米国務省は9月24日、昨年ミャンマー・ラカイン州でイスラム系少数民族ロヒンギャがバングラデシュへ逃避した「ロヒンギャ危機」に関して、ミャンマー治安部隊による組織的な暴力行為があったと独自の報告書を公表した。

米国務省の報告書は、バングラデシュへ逃避したロヒンギャのうち、治安部隊による殺害や性的暴行を目の当たりにした多数の難民を対象にした調査に基づくという。

報告書では、
「ラカイン州での暴力は徹底的に広範囲で大規模に行われ、ロヒンギャを恐怖に陥れて追い払いにつながった」(REUTERSより)
とした上で、
「軍事作戦の規模と範囲は、十分に計画され調整されていることを示している」(REUTERSより)
とつけ加えている。

なお、国務省の調査はミャンマー当局に対するさらなる制裁措置やその他の懲罰的措置を正当化するために行われたもので、国務省内部で公開に当たり激しい討論が1ヶ月ほど行われたという。

実際にあった恐ろしい暴力
バングラデシュへ逃避した生存者は、幼児や小児を殺害している兵士、非武装の男性への銃撃、生き埋め、穴に投げ込まれた犠牲者などを目撃したことを明らかにしている。

また、兵士によるロヒンギャ女性への性的暴力も公衆の面前で行われていたという。

バングラデシュのKutupalong難民キャンプで暮らすMaung Maung Tinによると、同難民キャンプで暮らす約1,500人のロヒンギャ女性が兵士により強姦されたといい、その結果として2人が赤ちゃんを抱え、他の人は宗教的信念により堕胎。

これだけでも恐ろしい暴力が実際に行われたことが裏付けられる。

国際刑事裁判所も国際法違反に当たるか検討
国連調査団は先月、ミャンマー国軍がロヒンギャに対して“ジェノサイド”やその他の罪を犯したと結論づけ、ミャンマーの状況を国際刑事裁判所(ICC)に付託することを求めている。

これを受け、ICCもロヒンギャ迫害が戦争犯罪または人道に対する罪に当たるかどうかの検討を開始した。

ミャンマー政府は国連調査団の報告に反発しているが、今回の米国務省の報告書に関しては現在のところ沈黙を続けている。

(画像はVOAより)


外部リンク

U.S. accuses Myanmar military of 'planned and coordinated' Rohingya atrocities
https://www.reuters.com/

US Report Points to ‘Extreme’ Violence by Myanmar Security Forces in Rakhine
https://www.rfa.org/

US: Myanmar Military Led 'Extreme' Violence Against Rohingya
https://www.voanews.com/

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