2018-09-08 09:00
社会
国際刑事裁判所、ミャンマー国軍幹部の訴追が可能と判断

管轄権を行使できると判断
国際刑事裁判所(International Criminal Court: ICC)は9月6日、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャに対する同国治安部隊の迫害行為について、国軍幹部の訴追が可能だという決定を下した。国連調査団は先月、ミャンマー国軍がロヒンギャに対して“ジェノサイド”やその他の罪を犯したと結論づけ、ミャンマーの状況をICCに付託することを求めている。
一方、ミャンマーはICCの加盟国でないため、取り扱う権限があるのかが懸念されていた。
しかし、ICCのFatou Bensouda氏は国境を越えた銃撃に言及した上で、
「ロヒンギャを追放したとされる犯罪の一部はICC加盟国であるバングラデシュ領土で起きているため、管轄権を行使できる」(FINANCIAL TIMESより)
と主張。最終的に過半数の同意を得て、決定が下されたという。法廷への道のりは長く複雑
ICCの上級法律顧問であるキングスレー・アボット(Kingsley Abbott)氏は、「この決定は、ロヒンギャに対する国際犯罪の説明責任を明らかにする重要な一歩だ」(FINANCIAL TIMESより)
と述べている。今後、捜査は検察官に委ねられるが、十分な証拠を収集するための予備審査には数年かかるという。
また、ミャンマーの同盟国である中国が訴追を阻止しようとする可能性もあり、法廷への道のりは長く複雑になることが予想される。
今回の判決は、ミャンマーで起きたジェノサイドを含む犯罪や国外追放などの捜査をICCが本格的に進める扉を開いたのかもしれない。
(画像はThe Guardianより)
外部リンク
ICC says it can prosecute Myanmar for alleged Rohingya crimes
https://www.theguardian.com/
ICC rules it has jurisdiction over Myanmar
https://www.ft.com/
ICC says can rule on Rohingya deportations from Myanmar
https://news.abs-cbn.com/
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