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2019-04-22 10:00

経済

ミャンマー宗教指導者、中国主導のダム建設中止を呼びかけ

ミッソン・ダム
「環境と経済の大惨事」を招
ミャンマーの仏教、カトリックおよびイスラム教の指導者たちは、前大統領であるテイン・セイン(Thein Sein)政権時に建設が中断された中国主導のミッソン・ダム(Myitsone Dam)建設プロジェクトの中止を呼びかけた。

宗教指導者たちはダム建設プロジェクトが再開されれば、「環境と経済の大惨事」を招く可能性があると警告している。

2006年に中国の電力会社がエーヤワディー川(Ayeyarwady、旧称イラワジ川:Irrawaddy)にミッソン・ダムを建設する契約を締結し、3年後に作業が開始された。

同プロジェクトはこの地域で最大規模のプロジェクトの1つだったが、ダムの恩恵の大部分が中国に向けられている上、広大な地域に洪水が発生し、何千人もの人々が避難を強いられ、地元住民が強く反対。

2011年9月にテイン・セイン前大統領が中止を発表しているが、正式に中止されたわけではなく、数年間にわたり一時中断されてた。

電力の90%を中国に輸出
昨年末、在ミャンマー中国大使が、カチン州の政治・宗教指導者たちにこのプロジェクトを支援するよう圧力をかけようとしたため、同ダム建設再開をめぐる論争が激化していた。

しかし、現政権の事実上のリーダーであるアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)国家顧問は同案件について沈黙を守っているため、地元住民は先行きを案じている。

さらに、スーチー国家顧問が今月末に国際フォーラムに参加するため中国へ行く予定のため、中国からの強い圧力が懸念されているという。

宗教指導者の1人は、
「NLD政府に対し、このプロジェクトを恒久的に中止するよう働きかけることを強く要請する」(Radio Free Asiaより)
と述べている。

6,000メガワットのミッソン・ダムは36億米ドル(5.4兆チャット)を投じる巨大プロジェクトで、電力の90%が中国に輸出されるという。

(画像はRadio Free Asiaより)


外部リンク

Myanmar Religious Leaders Call For Cancellation of Myitsone Dam Project
https://www.rfa.org/

Myitsone Dam Roundup
https://www.irrawaddy.com/

Myanmar cardinal warns of ‘catastrophe’ if China-backed dam project continues
https://cruxnow.com/

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