2019-03-15 10:00
社会
WUSTLの医学博士、ロヒンギャ難民のメンタルヘルス危機に対処

公衆衛生学と精神医学の専門家が支援
セントルイス・ワシントン大学(Washington University in St. Louis:WUSTL)医学部の医学博士であるRupa Patel氏とAnne Glowinski氏は、ミャンマーのロヒンギャ難民にメンタルヘルスケアを提供するため、バングラデシュの組織と協力しているという。WUSTLによると、医学部の助教授で公衆衛生の専門家であるPatel医師は、バングラデシュのNGOからの要請に応え、衛生、薬物治療、その他の差し迫った問題についてグループに助言。
しかし、心的外傷を受けた難民の脆弱な精神的健康への対処を支援する必要性をすぐに実感し、WUSTL医学部精神科の教授で児童精神医学部の副部長であるGlowinski医師に協力を求めたという。
Glowinski医師は難民キャンプ訪問中に、
「ここにいる人々は精神的なリスクが非常に高く、しかもその症状は長期にわたっている」(プレスリリースより)
と述べた上で、重度の不安、鬱病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対処しようとしていることを明らかにした。誰もが損失、ストレッサー、大きな不確実性に対処している状況であるため、Glowinski医師はNGOのスタッフとボランティアにメンタルヘルスの問題を明らかにする方法を教えているという。
ロヒンギャより聞き取り
一方、Glowinski医師がロヒンギャから聞いた恐ろしい話に困惑したPatel医師は、難民に対する犯罪の文書化を手伝うために法医学捜査官になることを志願。その後、WUSTLのロースクールのホイットニー・R・ハリス世界法研究所の所長であるLeila Sadat氏と協力し、ロヒンギャの正義を見いだすことに取り組んでいるという。両医師が難民キャンプを訪問した際、12歳の少年は2017年8月に村で56人の家族を失い、近親者のうち両親と3人の姉妹が殺害され、生き残ったのが彼と27歳、25歳、10歳の兄弟だけだったと語っている。
また、母親であるロヒンギャ女性は自分と娘が頭をマチェーテで切られた状態でどのようにバングラデシュへ逃げたのかを泣きながら話した。この女性は夫と4歳、2歳、1歳の子どもが殺され、自宅が焼かれた上、強姦もされたという。
これらの証言はほんの一部に過ぎず、避難している何十万人ものロヒンギャが恐ろしい惨状を目の当たりにしたのだろう。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
セントルイス・ワシントン大学(WUSTL)
https://gifts.wustl.edu/
セントルイス・ワシントン大学(WUSTL)のプレスリリース
https://source.wustl.edu/
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