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2016-12-23 22:00

社会

ミャンマーで家庭内暴力に立ち向かう男たち:UNFPA報告

国際連合人口基金
ジェンダーに基づく暴力は“私的な問題”
国際連合人口基金(UNFPA)によると、ミャンマーではジェンダーによる暴力が横行しているという。

5年前にミャンマー北部カチン州ナムサンヤム村で起きた武装紛争を逃れて移送されたキャンプで暮らすアウン・ハットウェ(Aung Htwe)氏は、安全であるはずの避難所でさえ、毎日のように暴力を耳にするという。

同氏は
「避難所は非常に小さく、壁がとても薄いためプライバシーはない。 家族内にどれほどの暴力があるのかが徐々に分かった。」(ニュースレターより抜粋)
と語り、家庭内暴力が頻発していることを明らかにした。

ミャンマーではジェンダーに基づく暴力は“私的な問題”とみなされ、多くの人がそれらを報告することはない。従って、データ収集は困難であるが、専門家はミャンマー女性に対する暴力の受容度は高いという。

さらに、長期にわたり暴力を受けている女性の絶望と恐怖が問題を悪化させている可能性もある。

「家庭内暴力に立ち向かう男であることを誇りに思う」
このような状況の中、UNFPAは2014年、キャンプ内に「ジェンダーに基づく暴力を終わらせるためのイニシアチブ」を開始。同イニシアチブは、暴力の防止とそれが起きたときの対応に重点を置いている。

UNFPAが女性および少女を支援するセンターでは、暴力の被害者に医療、心理社会的および法的援助を含むケアを提供。そして、男性ボランティアによるネットワークは、暴力を終わらせる必要性を認識し、起こった場合に介入するという。

アウン・ハットウェ氏は38のキャンプに広がるネットワークに参加し、他の人に手を差し伸べる方法について訓練を受けた。

同氏は、
「今、私はキャンプで妻を殴っている人がいるのを聞いたり、見たりしたときに何をすべきか知っている。暴力を振るう男性に近づく方法とコミュニティリーダーを巻き込む方法を知っている。私は家庭内暴力に立ち向かう男であることを誇りに思う。」(ニュースレターより抜粋)
と述べている。

男性にも助けが必要
紛争により避難所へ逃げ込んだとき、ザウ・サン・ノー(Zau San Naw)氏は15歳だった。それから6年たった今、彼は暴力防止ボランティアとして活動している。

彼の教育は15歳で中断され、将来の野望も失ってしまったが、暴力防止ボランティアはそんな彼自身が生きていくためにも役立っているという。

さらに彼は、
「男性にも助けが必要だ。私たちのキャンプは困難な状況にあり、それについて話すことは容易ではない。ジェンダーに基づく暴力プログラムは、私たちが男性として集まり、それぞれの状況や問題について自由に話し合うことができる場でもある。」(ニュースレターより抜粋)
と述べ、男性への支援の必要性を訴えている。

UNFPAの活動は暴力を受ける女性のみならず、暴力を振るう男性、さらに彼らを支援するボランティアをも助けているのかもしれない。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

国際連合人口基金(UNFPA)
http://www.unfpa.org/

国際連合人口基金(UNFPA)のニュースレター
http://www.unfpa.org/news/

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