2016-11-17 10:00
社会
ミャンマーメディアのトップらが名誉毀損罪で逮捕、IPIが事件取り下げを要請

汚職事件の記事で名誉毀損罪
報道の自由を目的として設立された国際的組織である国際新聞編集者協会(IPI:International Press Institute)は、ミャンマーメディアのCEOと編集長が名誉毀損罪で11月11日に拘留されたことに関し、事件の取り下げと制定の改革を関係当局に要請したことを発表した。逮捕されたのはEleven Media GroupのCEO(最高経営責任者)であるThan Htut Aung氏とDaily ElevenのWai Phyo編集長で、同社が掲載した記事「A Year After the Nov. 8 Poll」の内容に関し、ヤンゴン地方政府に告訴され、逮捕に至った。
記事では、地方首席大臣が麻薬密売で刑務所に拘留されたことがある実業家から、ヤンゴンの新しい都市計画の入札と引き換えに、9万3,000ユーロ(約1,000万円)のパテック・フィリップ(Patek Philippe)製の高級腕時計を受け取ったとしている。
また、歴史的な選挙から1年が経過する中、国家当局が汚職を撲滅しようとしなかったことも批判。
記事は匿名で書かれているが、読者にはPhyo Min Thein首相と実業家Maung Weik氏だと特定できるようになっていたという。
ヤンゴン地方政府はこの記事を否定。ミャンマーの電気通信法に違反するとしてEleven Media Groupに訴状を提出した。
ミャンマー報道委員会も逮捕を批判
ミャンマー報道委員会(Myanmar Press Council)は、同国にある他メディアグループ4社と共同で声明を発表。逮捕を批判し、事件の迅速な解決を求めた。IPIのSteven M. Ellisディレクターは、
「ジャーナリストに対するこのような刑事告発は、民主主義に必要な精査と批判を政府当局者は受け入れる意思があるのか、という危険な徴候を示している」(プレスリースより)
と述べ、Eleven Media GroupのCEOらの告訴を撤回し、解放しなければ、民主主義への移行に陰影を与えることになると主張。このような問題を対処するために、報道評議委員会設置の重要性を訴えている。
ミャンマーでの「報道の自由」がどのように民主化とともに進められるのか、注目が集まるところだ。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
国際新聞編集者協会(International Press Institute)
http://www.freemedia.at/
国際新聞編集者協会のプレスリリース
http://www.freemedia.at/myanmar
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