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2017-09-18 21:00

経済

ミャンマーのビジネス情報を扱うNPO組織、大規模水力発電プロジェクトについて言及

水力発電
資源が豊富な民族地域での水力発電
ミャンマーのビジネスに関する情報を提供するNPO組織であるMyanmar Centre for Responsible Business(以下、MCRB)は、ミャンマーの民族地域における大規模水力発電プロジェクトについて詳述したパンフレットを発表した。

2016年から2017年にかけて、MCRBのResearch&Outreach担当マネージャーであるHnin Wut Yee氏は、プロジェクトをサポートするために、このパンフレットを用意した。

このプロジェクトは、社会開発研究センター(CSDS)、タイのチュラーロンコーン大学の政治学部が主導している。プロジェクトは、Nu-Thanlwin-Salween盆地の水資源開発担当者と地域開発実践者を支援しており、CGIAのウォーターランド・エコシステム・プロジェクトとオーストラリア資金の援助を受けて実施されている。

地元住民からの反対
パンフレットによると、近年まで、透明性や説明責任、コミュニティへの参加が欠如していたため、資源が豊富な民族地域における大規模な水力発電ダムは、地元住民にはほとんどメリットが享受されていなかった。

そして、特に民族地域において、歴史的かつ伝統的に女性は公的部門へ参加してこなかったため、女性の声はほとんど届くことがなく、生活に直接的な影響のある開発プロセスから除外されてきた。

また、ほとんどの場合、プロジェクト開発者は政府からライセンスを取得していることから、これらのプロジェクトは、地域社会や環境へ悪影響があると、地元の反対に直面しており、市民社会組織(CSO)と地域社会は、これらのプロジェクトに関して、より透明性と説明責任を求めている。

その1例が、南シャン州のSalween川における大規模なMong Tonダムプロジェクトである。

河川の変化の影響を受ける女性の意見も重視
ミャンマーでは、男女共同参画に焦点を当てた投資とコミュニティ参加に関する法的枠組みは存在していない。しかし、ミャンマーは国連の一員として、ジョン・ラギーによって提案され、2011年6月の国連人権理事会で承認された、ビジネスと人権における国連の指針を遵守しなければならない。

また、Salween川に大規模なダムが建設されると、不規則な水流の状況が、下流地域に社会的かる経済的な影響を引き起こすと考えられる。それには、下流の河岸の植生や鳥、そのライフサイクルが川の自然な流れに依存している様々な水生生物に影響を与え、シルト沖積地の減少や農地の浸食、水流調整や治安部隊がいるために村民が森へ入れなくなること、川の乾燥や雨季の洪水、水量や水質の低下なども含まれる。

そして、Salween沿いのシルト沖積地では、女性が栽培を行ったり、薬草・果物・野菜などの貴重な産物を集めたりしているが、提案されたダムのためにプランテーションが浸水したり、十分な量の水が確保できない場合、女性は経済活動と食料安全の保障を失うこととなる。

こうしたことから、MCRBは国のエネルギー需要の代替ソリューションを見つけるための大規模な水力発電ダムの開発においては、社会正義やジェンダー平等、人権保護、非差別を採用した、すべての利害関係者による「すべての人にアクセス可能なエネルギー」を目指したフォーラムが召集されるべきである、とする。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

Myanmar Centre for Responsible Business
http://www.myanmar-responsiblebusiness.org/

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