2017-09-08 20:00
社会
スーチー国家特別顧問、ロヒンギャ危機の「誤報」を非難

“必要な” 掃討作戦を実行しているだけ
ミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)国家特別顧問は、同国ラカイン州で発生しているロヒンギャ危機に関し、治安部隊による残虐行為を「誤報」だとして非難した。スーチー国家特別顧問は、この「誤報」を氷山の一角とし、多くの誤った情報が使われていることを指摘。治安部隊は、テロリストに立ち向かうために“必要な” 掃討作戦を実行しているだけだと主張している。
ミャンマー政府の声明によると、スーチー国家特別顧問は電話で、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領に「政府はラカイン州西部のすべての国民を可能な限り最善の方法で守っている」と述べたという。
ミャンマーでは、8月25日に発生したイスラム系少数民族ロヒンギャの反政府勢力による警察署襲撃以来、12万人以上のロヒンギャが国境を越えてバングラデシュへ逃げている。
「誤報の責任は政府にある」
ミャンマー政府の声明では、「誤報」により様々なコミュニティーで問題が発生しており、テロリストの関心を高めるように計算された誤った情報や写真がニュースに掲載されているとしている。BBC東南アジア特派員によると、情報の多くが誤りだという。
しかし、BBCビルマ・サービスのTin Htar Swe氏は、氷山の一角と非難する誤報の責任はミャンマー政府にあると主張。
同氏は、
「誤った情報は、政府が問題のある地域へメディアを入れないために発生している」(BBCより)
と述べ、国際人権機関やなどが問題の地域で何が起きているのか知ることができれば誤解は解消されると付け加えた。一方、バングラデシュなどへ逃げたロヒンギャは、
「ミャンマーの兵士が家を焼き、ラカイン州の村で無差別に発砲した」(TIMEより)
と語っており、事実関係がはっきりしない。「貧困・絶望・差別・迫害」というロヒンギャの歴史はいつまで続くのだろう。
(画像はBBCより)
外部リンク
Rohingya crisis: Suu Kyi says 'fake news helping terrorists'
http://www.bbc.com/
Aung San Suu Kyi Blames Misinformation as Myanmar’s Rohingya Exodus Worsens
http://time.com/
'Fake information' creating problems in Myanmar's Rohingya crisis, says Suu Kyi
http://news.sky.com/
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