2017-09-13 14:00
社会
ダライ・ラマ、イスラム系少数民族「ロヒンギャ」迫害に言及

「仏陀なら貧しいイスラム教徒に助けを与えるだろう」
チベット仏教最高指導者であるダライ・ラマ14世は、国民の大多数が仏教徒であるミャンマーにおいて、イスラム系少数民族「ロヒンギャ」が迫害されていることに関し、報道陣に「非常に悲しい」と述べたという。ミャンマーの人権に関する国連の最新報告書で1,000人以上が殺害された可能性があるとするロヒンギャへの迫害に関し、ダライ・ラマ14世は、
「イスラム教徒を嫌う一部の人々は、仏陀の教えを思い出すべきだ」(arab newsより)
と述べた上で、「仏陀なら間違いなく、貧しいイスラム教徒に助けを与えるだろう」(arab newsより)
とつけ加えている。これは、ロヒンギャ支援の介入を拒否したミャンマーの事実上のリーダーであるアウンサンスーチー氏が選んだ政策を否定するものといってもいいだろう。
ダライ・ラマ14世は、アウンサンスーチー氏同様に、ノーベル平和賞の受賞者である。
過激主義的な仏教により支えられるミャンマーの仏教
8月25日に発生したイスラム系反政府勢力による警察署襲撃以来、27万人ものロヒンギャが国境を渡り、バングラデシュへ逃避しているという。この襲撃はミャンマー治安部隊によるロヒンギャ掃討作戦を誘発。新たな暴力行為が国際的な論争を巻き起こしている。
ミャンマーでは、1982年に現行の国籍法が施行されて以来、ロヒンギャはバングラデシュからの移民として扱われ、常に差別の標的とされている。
また、ロヒンギャへの差別は、仏教がイスラム教に脅かされていると主張する過激主義的な仏教により大きく支えられているという。
ミャンマーの仏教徒は仏陀を崇拝しているが、チベット人とは違った宗教的伝統を守り、ダライ・ラマを霊的指導者として認識していない。
今回のダライ・ラマ14世の言葉は、ミャンマーの仏教徒へ届くだろうか。
(画像はINDEPENDENTより)
外部リンク
Dalai Lama: Buddha would have helped Burma's Rohingya Muslims
http://www.independent.co.uk/
Buddha would have helped Myanmar’s Muslims, says Buddhist leader Dalai Lama
https://en.dailypakistan.com.pk/
Dalai Lama says Buddha would have helped Myanmar’s Muslims
http://www.arabnews.com/
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